長崎代表幹事よりご挨拶
やまびこサークルの長崎です。今日は文化の日。この日に阿知波さんをお招きして文化講演会を開くことができました。
今日は鳴門市民劇場以外の方もいらっしゃるので、少しだけPRさせていただきます。鳴門市民劇場は1998年に独立し、今年で19年目です。遠くまで観に行かなくてもこの鳴門という地域でナマの舞台を2ヵ月に一度味わえる、そんな団体です。会員制ですが、ナマの舞台は、感動をもらえ、また、搬入や搬出に参加することで、一つの作品が役者さんだけでなく私たちと共に作られているという実感がわき、チケットを買って観るのとはまた違う喜びがあります。
会員の皆様には、今年3月に来られた阿知波さんに語っていただけるということになります。
演劇文化が鳴門の渦のように広がっていくようにと願い、開催しました。藤田幹事(司会)より経歴紹介
会員の皆様にとっては、今年3月例会でお会いした阿知波さんとの再会ということになり、たいへん嬉しいことです。
阿知波さんは北海道のご出身で、日本工学院専門学校演劇科を修了された後、劇団NLTに入団され、以降、劇団の中心メンバーとしてご活躍です。ご出演舞台は「Be My Baby」のほかに、2007年には「佐賀のがばいばあちゃん」では主役の「おさのばあちゃん」役で全国150以上のステージをこなされています。また、東宝ミュージカル「レ・ミゼラブル」で重要な役、「マダム・テナルディエ」役を1987年の初演時から1991年までと、2007年から2011年までの2度にわたり務められ、好評を博しました。2010年の「キャンディード」で読売演劇大賞優秀女優賞を受賞されています。最近の舞台では、池袋シアターグリーンで「劇場―汝の名は女優」に先月30日まで出演され、お忙しい中をお越しくださいました。
2014年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」できりっとした黒田家の侍女お福役で活躍されたことは、記憶に新しいところですね。そして、市民劇場には2018年11月「毒薬と老嬢」で再び来ていただけることがつい先日の四国市民劇場幹事会で決まりました(拍手)。講演
こんにちは。阿知波悟美と申します。
この苗字は、徳島県ではとても親近感を感じられます(笑)。3月に来たときに「阿波富田」という駅名をみたのですが、自分の名前か!?と思ってしまいました(笑)。
自己紹介をまず、と思ったのですが、司会の方にほとんど話していただきまして…(笑)。でもやはり自己紹介からいたしますね。
北海道の、函館の近く、函館の北の方で、函館まで2時間という今金(いまかね)というところの出身です。(ノートを見せてそれを北海道にみたて)これが北海道とすると(ペットボトルを加えて)このあたりに延びる「首」がありますね。その…真ん中あたりの町なんです。家は浄土真宗の寺。米どころであり、後志利別川(としべつがわ)という川があって、高台はじゃがいもの産地でもあります。「今金男爵」と言ってトップブランドのジャガイモなんですよ。このジャガイモの値段がジャガイモ全体の値段の基準になるくらい(驚きの声)。酪農もあって、これらが3つの柱の町ですね。食べ物がおいしい。「首」の真ん中あたりに位置しているので太平洋まで35分、日本海まで25分で、両方の海の「いいとこ取り」でお魚も美味しいですよ。そんな風光明媚なところに生まれ育ちました
お寺なので家は小さな山の中腹当たりにあります。車が増えて、ローカル線が廃止になってしまい、車が無いと動けない、そんな過疎の町になりつつあるところでもあります。農産物を作って盛り上げようとしていますが、高齢化も進み過疎化しています。でも頑張っている町です。ご興味があれば是非「ふるさと納税」をお願いします(笑)。私は今どこかにするとしたら鳴門ですよ(拍手)。マグロの若いときの魚、あれは何でしたっけ? ま、いいですね(笑)。
小・中・高を今金町で過ごしました。実家は寺なので常時人が多く居て、何かをやるとチョコレートや小遣いをもらえたりして(笑)、人前で何かをやることの旨みを覚えたような気がします(笑)。
今は東京に住んでいますが、5年ほど前までは北海道を拠点にしていました。北海道に夫と娘がおり、私は「単身赴任状態」。出稼ぎですね(笑)。芝居をやり始めると、2〜3ヵ月家には帰れませんので、「遠洋漁業」のようでもありますね(笑)。夫や娘の協力があって役者ができています。
今日の演題「女優として生きる」の話ができるかよくわかりませんが、役者をやっていることで弊害みたいなものもあり、そういうこともお話ししようと思います。こうやって一方的におしゃべりすることは、実はすごく苦手なんです。台本がないと…。しゃべるのはすごく下手です。失礼やよくわからないことがあったらあとの質問の時間で一杯言ってください。
(自己紹介、ふるさとの話で)もう一つ、面白いことがあるのを言い忘れていました。ふるさとには当時の国鉄が走っていて、私の家の寺の真正面が駅だったんです。寺の石段を駆け下りて道を渡れば駅という感じ。高校が合併しまして隣町に通うことになったので汽車通学を経験したのですが、毎朝乗るのが8時3分発の汽車。家から駅まで、走れば3分だったのですけど、起きるのも遅いし色々忘れ物などもして、ある日ギリギリの時間に。石段を必死で、三段とばしで駆け下りるのですが汽車の出発時間になってしまいました。ところが、のんびりした時代、町ですね、駅員さんがアナウンスで「法林寺の娘が今来ていますので〜」と放送し、待ってくれました(爆笑)。
それから電車といえば…。今日も羽田まで電車で来たのですが、2回乗り換えが必要でした。2回目の乗り換えを終えてホッとして座席に座り、12〜13分だったでしょうか、違和感もなく座っていたのですが、妙にお尻が湿っぽい。見るとお尻とシートが濡れていたんです。もうびっくりでお漏らしでもしたのかと思ったり(笑)。でも羽田空港にはユニクロがあったので、そこで…買いました(パンツをみせる)。結局その「水分」が何だったのかわからないのですが…。下着までとりかえたんですよ、気持ち悪いから。空港で劇団の制作の小川にこの件をメールしたところ、小川からの返信では「賀原夏子先生はいつも『ユーモアをもって話せよ』とおっしゃっていましたから、きっと先生のイタズラでしょう」と。今日のネタにということですかね。私は「そう思うことにします」と返信しました。そんなことがあったあと、今日こちらにきてお昼をいただき、ちょっと中座して帰ると「座席シートにシミ」があってビックリ。良くみると濡れているのではなく単なるシミだったんですけど(笑)。今日はそんな恐怖を2回も味わったというお話でした。「Be My Baby」で来させていただいた時のインタビューでもお話ししたのですが私はとても料理好きなんです。キョーエイでお魚をひとつ見ては「オーッ」と。台所が欲しかったですね。なので…ふるさと納税なら「鳴門」です(笑)。こちらには、ずいぶん前ですが「ばらばら」という作品でも来ています。まだ鳴門例会の頃でしょうか。それが私の初の旅公演でした。すごーく楽しかった。もちろん演じることはたいへんなところがあったのですが、旅が大好きになりました。スーパーをのぞくことも(好きに)(笑)。商店街に行ったりも楽しくて、この仕事をやっていなければできないことと思いました。
なぜ役者に?というのはよくきかれることですが。子供のころ、本が大好きだったんです。うちの母は、でも、「本なんか!」というタイプの人。今は理解してくれていますけども、当時は、本を読んでいると「腹がいっぱいにはならないことだ」「何の足しにもならないことだ」と言われたものです。反面教師でしたね。本を読むのはダメだったので押入れの中で懐中電灯で読んだりしてました。小学校の図書室の本は全部読んだ、という子どもでした。あるとき、「夕鶴」だったかと思いますが戯曲を読んで、すごく想像力をかきたてられました。それで中学は演劇部、と思ったのですが無くて…。高校から演劇部に入りました。それで地方へも公演に行ったりしました。でも住むところが田舎で、本屋さんには台本というものが無い。それで、土曜日に学校へ行って「学割」をもらってそのまま、授業は受けずに札幌まで本を買いに行ったりしました。そんなことができたんですね。
進学を考える時期になったとき、小学校の先生になりたいとも思っていたのですが、やっぱり芝居をやりたいと…。その頃演劇部の先輩から「民藝の『奇蹟の人』のチケットがあるけど行けないから」と言われたんです。札幌で観ました。そのときのサリバン先生をやられていたのが奈良岡朋子さん。もう落雷に合ったような衝撃でした。座席シートから立ち上がれないくらい。「私、これをやる」と思った瞬間でした。そこから泥沼に入っていったんです(笑)。
大学を選ぶときに、調べていたら日本大学に演劇部が。ふ〜んと思いながらみていたら日本工学院専門学校というところにもあって、その上、同じ講師がいたりして、それなら短い(2年)方がいいと思って日本工学院専門学校にしました。大学に入ったときには、私はほんとに何にも知らず、ただ、やりたいということだけ。周囲にいた全国から来た人たちはたくさん知識を持っていた。なので、いろんな芝居を観に行きました。2年間の学校生活が終わり、さあ、どこかへ?というときに、喜劇をやりたいと思ったんです。それで最終的に入ったのがNLTでした。当時紀伊國屋書店で立ち読みするときが至福の時間だったんですが、ある日「テアトロ」という演劇の雑誌をみていたら、劇団のオーディションが載っていてNLTもあって、メモしました。「テアトロ」、高いので買えなくてメモです(笑)。そして劇団に電話しました。決定的だったのは、賀原先生が編集したパリ・ブールヴァール傑作集というのがあるのですが、この中の「恋の冷凍保存」これが面白かったんです。また賀原先生の「はじめに」の中に、中国の逸話でこういう話が紹介されていました。目が見えない人が象を触るのですが、皮膚を触った人は「ざらざらしたものだ」と言い、耳を触った人は「平べったいものだ」と言い、足を触った人は「丸太のようだ」と言う。つまり、触る場所によって違う風に感じるということ。喜劇をやるにあたっては、全体を感じるような芝居をやりたいということを言われていて、素敵だと感じました。そこから…39年になります。
入団してから10年間、役がつかなかったんですよ。衣装や小道具係をやっていました。その頃、母が上京し、賀原先生に挨拶をしたのですが先生から「お母さん、たいへんですね。あと10年くらいは仕送りが続きますね」と言われ、私もびっくりでした。でもそのとおり、10年目に「レ・ミゼラブル」のオーディションに合格、その直前に「ばらばら」でも役をもらっていて、本当に10年目から色々させてもらいました。くさらなくてよかった。下積み時代なんですけど、特に下積みという風にも思ってなくて、いい修行くらいに楽しく、そして「今にみていろ」とも思っていましたね。
「レ・ミゼラブル」では底意地の悪い役でした。賀原先生がオーディションを受けてみろとおっしゃったんです。私は東宝のミュージカルなどは役はすでに決まっていてオーディションは宣伝のためではと言ったのですが、先生が受けろとおっしゃって。いつも賀原先生の影があります。なので「佐賀のがばいばあちゃん」の役作りのときにも、賀原先生ならどうやるだろうと想像しながらやりました。いつもどこかに(先生が)居るような気がします。四国は先生が最後の舞台をしたところなので…「ヨロシク」という感じです(笑)。
「レ・ミゼラブル」のあとに小さい舞台が続くようになりテレビに出るようにもなり、また舞台に…という感じです。
「Be My Baby」については、加藤 健一さんとは何度もお話があったのですがいつもスケジュールが合わなかったところ、この作品ではピタっと合って、しかも旅公演もOKで。縁というのはすごいなと思いました。全部が縁でつながり、「今」があります。
「女優として」ですが。縁を大切にしていけば、(女優としてではなくても)普段の生活でも同じと思います。今日のことも縁ですね。役者で大切なことはまず体力。健康でないとダメです。たとえば九州公演だと1ヵ月半ほども東京に帰れないわけです。「健康でいなければ」と思うあまり、逆に精神的に病むことも。身体を動かすことを怠ると脳が働きません。食べることと運動することが仕事と思っています。
呼吸法があって…。皆様もそろそろ眠気が来るころでしょうから(笑)一緒にやってみましょうか。― みんなで阿知波さんのご指導どおり、ストレッチと深呼吸―
目が覚めましたか?(拍手)これ、朝布団から出る前にやるといいですよ。やってから立ち上がってください。私の母も、87歳ですが、これをずっとやっていて調子がいいと言っています。
芝居の前には、発声を含め40分くらいのウォーミングアップをします。そのときに今の呼吸法も。頭がクリアになり、ヤル気スイッチも入ります。是非やってみてください。
「身体のためにいいものを」なので地産地消ですね。今日の昼食時も食べ物の話ばかり(笑)食べるのは命、仕事、と思って食べています。バランスよく、ですね。世の中イヤなことばかり。地震や災害もありますし、人もまるで壊れていっているような…。いったいどうしたの?という感じです。「四面楚歌」といった突破口がない状況なら、そのときどうしたらいいのか?考え方を、見方の角度を変えるのがいいのかとか。私の造語なんですが「四面謳歌」というのはどうでしょう。まずは「四面楚歌」のいわれからお話ししますが、改めて調べるとこういうことでした。昔、中国の楚の国の項羽が漢の軍に包囲されて逃げ場を失った時、周りから楚の国で作った歌が聞こえてきて、自分以外の楚の国の人々が皆、漢に降伏したのだと思い絶望したということらしいです。翻り「謳歌」とは、みんなで一緒に楽しんで歌うということ。なので、「四面謳歌」がいいかなと。たとえば寝坊をしても落ち込むのではなく「ああ、余分に寝れて健康になれた」と思うのはどうでしょう。たとえば誰かにイジワルをされても「あの人は私を育ててくれている」と思えばどうでしょう(笑)。
芝居の中に生きるヒントがあると思うんです。なので、「四面謳歌」の第一歩は「芝居を」観ること!(拍手)市民劇場は「四面謳歌」の代表です!芝居をするときに何をするか?という話をしましょうか。
役作りをするとき、「その人の半生」を考えてみるんです。親は?兄弟は?どういう環境で生きてきたのか、そういったことを想像してみて、そして台本を読みます。すると、全然違います。スーッと役がつかめる気がします。次に考えるのが年齢とかです。「佐賀のがばいばあちゃん」のときには、銭湯に行ってお年寄りを観察したりしました。分かったことは「骨盤」。お年寄りは、こういう風に(やってみせる、歩いてみせる)骨盤が前に出ているんです。それでこういう歩き方になる。単に背中が丸いということでなく。逆に骨盤を立てるとピンとします(やってみせる、歩いてみせる)。どう?かっこいいでしょ(拍手)。少し目標をたてて、あの場所、たとえば次の電信柱までとか決めて、こういう歩き方をしてみるといいです。生きること=役作りなので、混じってしまうのですが、そういうことです。形態、声、生い立ち、そして次は社会とどう関わっているかを考えます。自分自身の役割についても考えたりします。人を元気づけること?待ってあげること?など。それを役作りの中にも入れています。喜劇のあり方、どういうのが好きかについて。
賀原先生は「額に汗、鼻の頭に汗、一生懸命やれば、喜劇になる」とおっしゃっていました。最初はよくわからなかった。でもそれがわかった瞬間があったんです。あるとき札幌での雪道、すごいドレス、靴もそろえた颯爽としたお姉さんが滑って転びました。周囲は…笑えないですよね。で、本人はどうしたかというと、すくっと立ち上がり、まるで何もなかったようにすまして歩いて行ったんです。それが、とりつくろうようなサマが、愚かだけどもかわいらしくて!そしてその後は想像。きっと彼女は、誰もみていないところに行った後、洋服を気にしたり必死になったに違いないと(フリも交えて)(笑)。そういうのが喜劇だって思えたんです。想像することで見えることがあれば喜劇。今日の演題に合っているかわかりませんが、そういう風に役者をやっています。
人間って愚かであってもかわいいな〜と思えるように。
2時間、3時間の間、目の前の芝居のことだけを思ってくれたらと。自分の生活を少し切り取って、隙間をあけて…。生活にはいろんなことがありますけどね。
市民劇場と役者・劇団との関わりは大切です。共存共栄ですね。私たちは1ヵ月余り、必死で台詞を覚えます。私はこんな風に(ノートを見せる)ノートに書いて覚えます。電車の中だと、台本を広げられないでしょう。だからここに書いて、見て、つぶやいて(覚える)。それでも、東京公演だけだと1週間とか10日に過ぎない。それを、全国で声をかけてもらえると長くやれます。作品によっては10年も…というのもあります。もちろんそればかり続けて…ではないですが。ひとつの役を大切にできるんです。本当に本当に感謝しています。ギャランティもありますしね。少ないですけど(笑)。ステージ数があれば、芝居で食べていけます。こんな嬉しいことはない。皆様にとっても、住んでいるところで観れるメリットがあるとおっしゃっていただきましたが、それに加え、いいことがあります。東京で芝居をみると、すごくたくさんのチラシをくれてダイレクトメールなんかも来て芝居の紹介をされますが、アタリと思うのは2割くらいでしょうか。本当にそんなものです。でも、演劇鑑賞会にくるものはヒットしたものばかり。好き嫌いはあるかもしれませんが、「アタリ」の作品が来ます。それが、メリットです。また、サークルという人の繋がりもメリットでしょう。孤独が問題になる世ですが、芝居という共通の話題があれば話もはずむでしょう。こう考えると、悪いところは全くないですね!でも全国的には会員数が減っています。北海道も風前の灯なので、援護射撃が要ると思っているところです。この衰退をどうすればよいのでしょう。私としてはできる協力は何でもしますが、声かけは、「嫌がられる、嫌われるかもしれない」「興味がないかもしれない」と思って気おくれがすることもあるかと思います。そこで、考えた方法があります。人が多いところでリーフレットをわざと落とすんです。それで、誰かが拾ってくれたらそこから話を広げてみる!(演技をしてみせる)(大拍手)たとえば東京なら電車の中で2人で立って、周囲に見え、聞こえるように「NLTって面白いね」とかいう噂話をする。きっとそばの人は覗き込んだり興味をもつものです。もちろん、やったこと、ないですよ(笑)。そんなの、いいかなあって。でもそういうことを考えたら楽しくなります。また、観劇のあとご飯を食べながら話題にする。世の中、知らない人の方が多いのだから知ってもらうことが大事で、そのためには少し姑息な手もね(笑)。 皆さんと劇団と、両方で盛り上げないといけないんです。どちらかがダメになると両方ダメになります。お互い理解しあって盛り上げていきたいと、切に切に思います。こういう団体があることに、本当に感謝しています。ありがとうございます。私の話は以上で、これでよかったかどうかですが、精一杯、お話しできることはお話ししました。
質問コーナー
司会:いいお話をいっぱい聞きました。「四面謳歌」は覚えておきたいです。来年の手帳を買ったら「周囲の人のいい言葉」が募集されていたのですが、出してもいいでしょうか?それから、チラシ作戦も、いいヒントをいただいた気がします。では質問をどうぞ。
Q:舞台に上がる前のルーティンは何かありますか?
A:ストレッチ、発声練習、深呼吸ですかね。他にも何かあるかもしれませんが。Q:お話が苦手とおっしゃいましたが、たいへんお上手で面白かったです。以前、NLTの弓澤さんが講演くださり、とても面白かったのでNLTの方はお話上手だなと。そしてそのあと「軍師官兵衛」での阿知波さんも拝見しましたが、弓澤さんはその後お元気でしょうか。
A:はい、この間会いましたが、相変わらず生意気にしてました(笑)。Q:差支えなければご主人とのなれそめを。
A:幼馴染です、夫の家も寺、寺の次男坊なんです。次男だから継がなくてもいいのに坊主になり、寺に所属していないフリーの坊主ということだったんですが、ひょんなことから結婚に至りました(笑)。円満別居中ですよ。離れているからケンカすることもないですね。平和です。たまにしか会えないので、たまに会うと新鮮ってくらい。娘は大学2年生。家から通えないところなので一人暮らしで、我が家は3人家族なのにみんなバラバラ、不経済ですね(笑)。Q:お話の最初にあった魚については「ツバス」じゃないかと思います。(他の参加者から「違うのでは?」
司会:また調べておきます。(Webページ作成者註:「ヨコ」又は「ヨコワ」かも)Q:芝居の途中で自分や相手役が台詞を忘れたりすることはないのですか?
A:ありますよ(笑)。3分くらい…そのくらいに感じただけで実際にはもっと短かったようですが、忘れたときがありました。全く何も思い出せない。複雑な展開の場面だったことは確かなんですが。「幸せの背くらべ」という作品でした。黒柳 徹子さんが91歳役、あと50代と20代、3人の女性の芝居なんですが、3人なので膨大な台詞量でした。1幕目の途中で、若い女優が完全に違う台詞を言ったんです。その途端に私は真っ白になってしまい、仕方がなく、台詞とは違う(その場の気持ちとして)「何言ってるの、アナタ」「他に言うことがあるんじゃない」とか作って言いました。それに対してその女性が「そんなこといったって」。私「そんなこといったって、じゃないでしょう、全く!」(笑)そのとき、そういうやりとりを聞いていた黒柳さんがパンと手を叩いて救いの手でヒントをくださったんです。「一夫一婦制の話じゃなかったの?」って。相手が忘れたときには言ってあげます。お互いさまなので。またこの間は、ラストシーンでハンカチを取り出して台詞を言うところがあったのに、ポケットを探ってもハンカチが入っていない。仕方がないので、舞台そでに行ってハンカチを取ってきました。こんな風に、完璧に準備・練習と思っていても急に悪魔は出てくるものです。Q:「佐賀のがばいばあちゃん」の時には佐賀弁、方言はどのように勉強を?
A:繰り返し聴くだけですね。佐賀出身の役者友達がいて、3人でご飯を食べ、その間はずっと方言でしゃべってもらいました。空気感を得ました。3回お金を使いましたけど(笑)。でもおかげで、佐賀の方にもネイティブのようだと拍手をいただきましたよ。Q:再来年の「毒薬と老嬢」の見どころを教えてください。
A:この作品は最初、賀原先生と北林谷栄さんがやりました。その後、淀かおるさん、中村メイコさんと、賀原先生の相手役が変わりました。その後、賀原先生が亡くなりますが、旅の途中だったので、代役が木村有里です。再来年はNLTの50周年記念になり、その記念作品のひとつがこれです。木村有里と私とでやります。内容は…ネタバレになるかもですが、再来年なので少しくらいはいいですね(笑)。もちろん全部は言いません。古い家に老姉妹が住んでいます。慈善事業もしたりして平穏に見えますが、なんとなく、「かえってこない老人がいる」という噂がたちはじめるんです。それは、その姉妹が「幸せに殺していた」という…。殺人を楽しんで?!ということにもなりかねませんが、仕掛けが多く、シニカルで風刺的な作品です。2人は「いいことをしている」と思っているんです。どうです?面白そうでしょ?仕掛けがあるので楽しみにしてください。いろんなところに死体が隠されているんです。また、イケメンの孫がいるんですが(このキャストは未定)、隣にある教会の娘と結婚したいという、でもそこにも障害があって。警察も出てくるわ、フランケンシュタインみたいなのも出てくるわ…で色々あります。風刺がきいた喜劇です。笑えて、そして観終わったあとには命を大切にしようと思えるような作品です。Q:なぜ喜劇をやろうと思われましたか?
A:あるひとつのことも、この人にとっては悲劇、この人にとっては喜劇ということがあります。落差があります。受け取り方はひとつではないということ。悲劇の場合は、観る人は「かわいそう」と思い、そのあとには「私はまだ、良い」という感じで終わりませんか(笑)。でも喜劇は、笑って、終了。あとは明日も頑張ろうという感じで、生きる力になるのではないかと。阿知波(最後に):会員を増やすのは大変だと思います。でも、1人が1人誘う(増やす)だけでなんと2倍になる。そう考えると、いけるんじゃない?と思うのではないでしょうか(笑)。会員が2倍になれば、私、鳴門で1泊できます。今はできないので鳴門のうずしおが見れません。次に来るときには鳴門のうずしおを是非見させてください。
E-mailでのお問い合わせは 鳴門市民劇場ホームページ nrt-geki@mc.pikara.ne.jp まで。