ものがたり | 解説 | 演出家 |
配役 | スタッフ | 上演予定 |
西へ、西へ。生きるために西を目指す。
困難と闘い、立ち向かう「普通の人々」の物語。
2000年度文化庁芸術祭賞大賞を受賞した名作が今甦る!
ものがたり
1930年代初頭のアメリカはオクラホマ。大平原を猛烈な砂嵐が吹き荒れ、耕地は一夜にして荒野と化す。血と汗で開墾した土地を天災と資本家とに追われた農民達は、希望の地カリフォルニアを目指す。その中にジョード一家がいた。
一家は毛布と炊事道具だけを半壊のトラックに積みこみ、2000マイルもの行程を山脈を越え、砂漠を横切ってカリフォルニアヘと辿りつく。しかし、その地も彼らが夢見た天国ではなかった。そこにはすでに土地を追われた25万もの浮浪農民が各地から集まってきていた。労働力は過剰になり、賃金は地主の意のままに切り下げられる。抵抗への結束の意識が芽生えても、直ちに“赤”と見なされ一層強い迫害がのしかかってくる。1OO万エーカーを所有する一人の地主のために1O万の農民が飢える時、カリフォルニアの沃野に“怒りの葡萄”が実を結んでゆく…。
公演ちらしより
解説
『怒りの葡萄』は、土地を失ったオクラホマの貧農家族の悲劇的な運命を描いた一大叙事詩である。スタインベックの経験と才能のすべてがここに集約されており、迫力の強さにおいても感銘の深さにおいても、まさに彼の最高傑作だと言える。「人間というものは、どのような苦難にあっても生き続けてゆくものである」というのがスタインベックの信念だが、それがこの作品の中でも深く息づいているのは疑いようもない。
アメリカ商業主義への強い怒りを込め、激しい抗議の文学として書かれたこの作品には、二つのタイプの人間像が生き生きと描き出されている。一方は地主や警官に代表されるような権力者、もう一方は圧迫を受ける側の農民達である。これは時代状況を問わず、どんな社会においても存在する社会的現実といえる。そして、これはまさに現代日本においても例外ではない。権力の中に自己を見失った人間の姿、また虐げられ歪められた人間性の在り方、あるいは反抗心の行方…このようなシンプルな問題をつきつけられた時、我々は自分の身近なこととして考えずにはいられない。
初期の作品から一貫してスタインベックが物語っているのは、現代文明に浸潤されて失われつつある野性的な愛情や本能的な情熱についてであり、そのバイタリティーについてである。そんなエネルギーが失われつつある今、スタインベックの「生」への問いかけが強く心に響いてくる。
ジョン・ディロン John Dillon
劇団昴の客員演出家
1973年から93年にかけてミルウォーキー・レパートリー・シアターの芸術監督を務めたほか、全米25都市以上の地域劇団で演出を手掛けている。またイギリス、ロシアの主要劇団でも演出を行うなど活動は幅広い。昴においては『セールスマンの死』『熱いトタン屋根の上の猫』を演出。公演ちらしより
ジョン伯父 | 父 | トム・ジョード |
秋間登 | 石波義人 | 宮本充 |
楽士(ギター)/車のセールスマン/ほか | 楽士(ブルースハープ)/車のセールスマン/村長/ほか | 楽士(マンドリン)/車のセールスマン/帰って行く男/農事検査官/手配師/ほか |
斎藤譲 | 武藤与志則 | 伊藤和晃 |
楽士(バンジョー)/車のセールスマン/ガソリンスタンド店員/保安官助手/ほか | ノア・ジョード/警官/ほか | アル・ジョード |
永井誠 | 鳥畑洋人 | 石田博英 |
地主/フロイド/納屋の男/ほか | ガソリンスタンドの店主/帳簿の男/ほか | コニー・リバーズ/ほか |
平林弘太朗 | 大林洋平 | 鉄野正豊 |
ジム・ケーシー | ミューリー/農事検査官/キャンプ村施設長/ほか | 祖父/ほか |
西本裕行 | 内田稔 | 稲垣昭三 |
エリザベス・サンドリー/ほか | 母 | 祖母/ミセス・ウェインライト/ほか |
寺内よりえ | 久保田民絵 | 小沢寿美恵 |
ダンス場の女/ほか | ローズ・オブ・シャロン | アルの女/納屋の少女 ほか |
茂在眞由美 | 田村真紀 | 落合るみ |
楽士(フィドル) | ウィンフィールド | ルーシー |
黒川かほる | 加藤瑠惟 テアトルアカデミー |
染谷麻衣 |
原作 | ジョン・スタインベック |
脚色 | フランク・ギャラーティ |
訳 | 沼澤治治 |
演出 | ジョン・ディロン |
美術 | 濱名樹義 |
美術コーディネート | 滝善光 |
照明 | 渡辺省吾 |
衣裳 | 山口徹 トレイシー・ミークス |
音楽 | 上田亨 |
音響 | 山北史郎 |
振付 | 神風R布子 |
殺陣 | 西本良治郎 |
歌唱指導 | 日高哲英 |
演奏指導 | 原さとし |
舞台監督 | 黒木辰男 |
宣伝美術 | 北村武士 |
絵 | 北沢夕芸 |
制作 | 石井孝一 村上典子 |
鳴門市文化会館 5月27日(土) 夜6:30〜
上演時間 約2時間45分(15分の休憩を含む)
※約250台の無料駐車場あり |
徳島市文化センター 5月 9日(火) 夜6:30〜 5月10日(水) 夜6:30〜 5月11日(木) 昼1:30〜 |
阿南市市民会館 5月28日(日) 夜6:30〜 |
E-mailでのお問い合わせは 鳴門市民劇場ホームページ nrt-geki@mc.pikara.ne.jp まで。