明石原人〜ある夫婦の物語〜

鳴門市民劇場感想集

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舞台写真3

日色ともゑさんが、役そのものという感じですばらしかったです。長くて重い芝居かもと心配していたのがうそのように、とても楽しめました。

ラストシーン、大変感動しました。

地味で根気のいる考古学の研究をする夫をよく理解し、協力を惜しまなかった音夫人、本当の夫婦愛を教えてくれました。日色ともゑさんの演技に「音夫人」の持つ真の強さ、優しさがよく表れていました。
  鳴門も今、鳥居記念館の移転問題が持ち上がっております。妙見山の上から鳴門市のシンボルとして市民に親しまれてきたのに他のところに移転がきまれば残念です。これからも私たちも見守っていてもらいたいものです。
  南風洋子さん久しぶりに見ました。大家さん役明るくユーモアな舞台にしていました。

日色さんの熱演が、前の席でとても良く見えました。
  例会ニュースであらすじを読んでいたので話がよく分かり楽しめました。
  伊藤孝雄さんの挨拶も親近感がもてました。

期待以上におもしろかった。
  思わず史実(?)を確かめました。

好きな事を仕事にすることの喜びと困難がよくわかり、それらを共有する夫婦の姿がとても感動的でした。お互いを尊敬しあっている夫婦の形が、とても美しいと思いました。
  音先生の人柄は、日色ともゑさんのイメージにぴったりかなと感じました。

あらすじや事前学習でわからなかった結婚のきっかけが良くわかった。
  またシンプルな舞台なのにいろいろな場所が設定できて、感心した。

可愛くて大らかなおばあちゃんの存在はよかった。
  学閥の世界を誠心誠意生き抜いた音先生はすばらしかった。

役者さんて本当にすごい!初めの場面は実に若々しかったのに、2時間30分の終り頃には、あんなにも見事な老人に変身できるところは、さすがだなアと思いました。

サークルの感想を集めました。
 ☆今までで一番よかった。声もよくきこえた。俳優さんはすごいね(50才代男性)
 ★久々の観劇だったが、よかった。舞台装置がすばらしい。(40才代男性)
 ◇小学校の時とき学校裏でみつかった遺跡で、ともだちみんなで競い合ってヤジリを探したことを思い出した。考古学にハマってしまう気持、わかる(40才代男性)
 ◆いい作品だった。鳴門ゆかりの考古学者の名前が出てきて興味が増した。(50才代男性)

明石原人ツアーに参加して無智だった考古学について少しは学んだので内容がよりよく分かりました。さすが劇団民藝で心温まる大へんよいお芝居でした。こんな一流の芝居が鳴門で観られる、市民劇場をなくさないように、ますますもり立てていきたいです。

 石器時代のものと思われる人骨を発見しながらも学歴がないばかりに相手にされず苦悩しながら夢をおいかける夫を励まし、ささえつづける妻、音の姿に胸に熱いものがこみ上げてきました。

難しくなく、堅くるしくなく、「ある夫婦の物語」ですヨということで物語に入っていきましたが、結果的にはむしろ考古学の世界の方にとても興味がわいてきました。
  クライマックスの信夫の言葉どおり、みかけ上(?)世の中に何の役にも立ったいるワケでもない仕事…でも壮大なロマンだよなあ〜でもそれを一生、なかなか続けては出来ないよなあ、と考古学者という名のつく人々に興味がわきました。
  もちろん「この夫婦」(これだけ他人行儀にお辞儀をしたりていねいに言葉を交わすのも珍しくて、可笑しい)の支えあった生き方にも感銘しました。
  でも、オトコは甘えん坊、えらそうに(?)言ってても母性で包んでほしい…がホンネなのかな?結論かも。

回り舞台風の合理的な舞台で雰囲気を十分感じさせ、内容も分り易い話で最後まで退屈しない優れた芝居だったと思う。役者さんも申し分なかった。
  精神的にも経済的にも一生懸命支えてくれる姉さん女房の下で自分の好きなことをやり通せた直良信夫は幸せな男だと思う。

むつかしい話と思っていましたが予想に反して楽しく観劇する事が出来ました。

5月の「明石原人」にちなんだツアーで事前学習し、直良信夫の長女、三樹子の『見果てぬ夢「明石原人」』を読んで例会にのぞんだ。堅苦しい考古学界の相克で劇の展開も硬いものかなと想像していたが、夫婦愛の物語、その中で南風洋子の演技がアクセントで彩りがあった。日色ともゑの夫を支え、叱咤激励する姉さん女房を力演、東大教授の伊藤孝雄、他、役者さんもさすが“民藝”だと思った。
  好きな考古学に向かって日々夢中になれる信夫には、小学校卒といった学歴のなさから来る発見研究への否定、風当たりの強さに、学者の世界に厳しい体制がうかがわれ、その中にわが徳島県人学者『鳥居龍蔵博士』の名前が出てきたのには驚いた。彼も高学歴ではなかったはずなのに?…しかし民間人も考古学に興味をもち、直良信夫と共に化石を掘り続ける人や交友もあったということ、又、信夫も努力を重ねて早稲田大学での文学博士取得、そして教授への昇進で妻の内助に報い、夫婦で築いていく人生の歩みが舞台上に描かれ、熱く静かな感動を覚えた。
  舞台挨拶の伊藤孝雄さんの言葉も良かった。鳴門市民劇場のそもそもの発端、鳴門例会の一歩『早春スケッチブック』の舞台で出会いがあったのだということを今日の第50回記念例会で気づかされ不思議な縁を感じた。鳴門市民劇場もこれからさきずっと多くの回を重ねて、いろいろな観劇の舞台を会員の皆さんと楽しんでいきたい。 舞台写真4

『明石原人』は、ある夫婦の愛のかたちの物語となっていたが、やはり根底に流れるのは旧石器時代の人骨発見の話であろう。この発掘にかかわる信夫と音夫婦の約30年にわたる夫婦愛が描かれていた。夫が挫けそうになった時は叱咤激励、常に夫の研究を理解し後ろから静かに見守る優しさ、これが本当の深い夫婦愛ではないかと感じた。
  この物語の題材、信夫と音の生涯を確実に記述したものは無く又肝心の人骨も東京大空襲で焼失したという(幸いにも、東大に石膏型、直良の日記に一部は残っているようであるが)。このように資料の乏しい中で、小幡欣治は東奔西走調査し、史実に近い作品にして、小幡流のユーモアあふれる力作に仕上げているのは見事であった。出演していた多くの役者の中、千葉茂則は直良信夫のアマチュア考古学徒的な姿を上手く演じており、音役の日色ともゑも、実年齢からは考えられないはつらつとした若さ、そして流石芸の上手さであった。そんな中に、ほっと笑いを誘い息抜きをさせてくれるのが南風洋子演じるご隠居であった。本当に上手い芸達者な俳優さんそろいであった。
  この明石原人についてはこれまで色々な説があるが、発掘された人骨(腰骨)も、現在の調査技術(法)があればはっきりした結論が出て、旧石器時代のものとして直良信夫も一躍名声を馳せたと思うと、時代が違っただけに不運としかいいようがない。
  今回の小幡欣治の作品の真の狙いの夫婦愛の物語は大変奥深いものを語りかけているように思った。先ずは偶然の再会から始まり結婚するも、夫は家庭を顧みず、人骨発見に力を入れ、経済的負担を考えずにひたすら人骨探しに日々を過ごし、一方音は夫のために歯を食いしばって家庭を守り、そのため栄養失調で目を悪くしていく。後に夫は早稲田大学文学博士となるが、音はすでに車椅子姿となってしまっている。そんな音の前で早稲田大学の角帽をかぶり見せて音には今まで本当に苦労を懸けたと優しく語りかける場面は本劇のクライマックスは圧巻で、音が詩を読みあげるところでは涙が止まらなかった。
  直良の伝記は色々なものがあるようだが、松本清張の作品『石の骨』によると、音が眼を悪くして風邪から肺炎となり入院しているとき、信夫のもとに当時の人類学の権威である東大の長谷部教授が石の骨は本物という認定をしたという知らせがある。しかしそのとき音はすでに意識が混濁しており、信夫が耳もとで『人骨は本物と認められたぞ!』と言ってやると、『認められたの〜』とうわ言のように言い、『うれしいわー』緩慢な語調で言った。それが最後となり、四十年三月に音は死去したとのことである。

その時代では、めずらしい事なのかもしれませんが、二人の生活のために、男の人が子守りして、奥さんが働く。すてきな夫婦だと思いました。
  鳥居先生の名前が出てきて、鳴門とゆかりのある方なので不思議なものを感じました。イイ感じで(名前が)出なかったのですが、それだけ鳥居先生が有名な人だったのだと、あらためてわかりました。

戦争中の方針や権威がいかに真実を隠してきたかがわかって、おもしろかった。ただ、徳島県出身の鳥居龍蔵氏が権威の悪者として語られたのが少し残念だが…。

声が聞きとりにくい。

マイクが悪く聴きとりにくい。全ての人…。

とても良かったです。ことばがよくわかった。

明石海岸で人骨を発見したが学歴、戦争等色々アマチュアが発見しても認めてもらえない、何ともいえない思いが胸を打つ。11才年上の妻の音さんにささえられて二人が共に歩んできた点がとても感銘しました。

凝縮したお芝居で大変良かったと思いました。

永年経ってみなければ夫婦のよさというものはわからない。

心の底から深く動かされた。深い感動を覚えました。自分の人生観にも通ずるものがありました。私がこれまでに見た演劇で最高のものでした。

満州事変戦争の時代(あらすじに年号等記入希望)古い歴史物語であるが『明石原人』今回の劇場はあまりストーリーが判りにくい。

日色ともゑさんの若々しいかわいらしい良くとおる声、素晴らしかったです。夢を追いつづける夫をささえる夫婦愛、ユーモアもあり楽しい舞台でした。      

むつかしい内容のものであるのかと思っていましたが、前向きに生きるあたたかい内容のものであったと思う。セリフもはきはきとよくわかり、舞台装置もあまり変化のないものの、その場その場の雰囲気はよく伝わってきました。

様々な困難に直面しても自分の定めた道を努力して極めていく夫婦の姿に感銘を受けました。

ユーモアがあり、またしんみりとしたり楽しいお芝居でした。特におばあちゃんの好演が印象に残りました。

今回は当番! 2回の当番会に参加して、もっともっと自分達の手でとファイト! 当日は鳴門駅へのお迎え日色ともゑさんのなんと小さなこと。それが舞台となると大きく感じ、やはり人間は自信をもって動いている時が一番!本当に重みのある舞台に感激。南風洋子さんの演技に再び酔いしれ、最高の一日となりました。

先生と子供(教え子)が夫婦になり、明石人骨発見し苦労し満州事変で人生が変わった。夫婦生活三十年の長い夫婦苦労物語で劇的であった。

この物語をとおして夫婦のありかたを教えられました。色々な夫婦がいると思いますが、やはり妻たるものいつの時代も夫に対しても内助の功でありたい。

学歴社会に屈せず信念を持って自分を信じて努力することの大切さ、又それを支える妻の存在の大きさに感動。

『好きこそ物の上手なれ』この格言を思い出しました。劇中の後半に教授になった夫が妻に感謝の言葉の中で『好きだからこそ(考古学)やめずにここまで来れた』の一言が深く印象的でした。

仕事の都合で遅くなったり行けなかったりの多い中で今回は最初から観れました。席も前の方だったので、役者さんのしぐさや顔の表情等もよくわかり、物語も難しい内容でなく大変面白く良かったです。

日色ともゑさんの声と、しっとりした人柄がよく出ていました。夫、千葉茂則さんの最後の場面では真に迫るものがあり一緒に涙しました。隠居、南風洋子さんが出ることうっかりしており、その存在感に嬉しいびっくりでした。若い時からの大ファンです。

地味な題である。考古学を愛した男とその妻の話。内容もまた地味である。あまり期待していなかった分、楽しめた。前半は、出会い(再会)から結婚までよく描けていたと思うが、後半は、妻が善人すぎて少々さめてしまった。あそこまでつくした妻の心中はこのストーリーのとおりなのっていう思いがしました。

期待してなかったが、しみじみとても良かった。

夫婦愛、学会の閉鎖性(学歴主義)などテーマがよくわかった。声もよく通り、舞台装置の工夫もなるほどなと思わせるものがあった。短い二時間四十五分だった。

明石海岸で発見した人骨を海水で洗ったり、カメラで記録していなかったり、アマチュアで学歴社会の壁に阻まれ、さらに世界的大学者である鳥居龍蔵頭脳はバツグンであったが学歴がなく東京大学で教授になれず涙を流した人に阻まれたとは。鳥居龍蔵は十一才年下のきみ(きみ子)さんを妻にしている。共に良き妻の協力、アドバイスでいい仕事をしている妻の力、温かさよ!夫が車椅子を押す光景はなんとも穏や かにやさしい心にしてくれた。ありがとうございました。

日色ともゑさんの若々しい、美しい声に魅了されました。     

鳴門海峡ひとつ向うに石器時代のロマンとその原人の存在まで抹殺する戦前の国家権力の怖さ! それにも増してきめこまやかな夫婦愛の描き方に共感と涙すること―――。カーテンコールの伊藤孝雄さんのメッセージの心やさしきこと。

地味なストーリーを飽きさせなく夫婦の情愛が出ていて大変よかった。この度は運営担当サークルなので目標を達し協力出来た満足感で舞台を観る事が出来ました。

一生夢を負い続ける生き方は、男しかできないと思った。その夢を叶えるまで一緒に支えていく妻は偉い!今の日本人に忘れられているところですよね。

前回に続いてまたもやヒットでした。せりふがしっかりしているので聞きほれました。夫と共に夢を見、協力を惜しまぬ妻、賢いふくよかな(外観でなく)女性に出会えてうれしく思いました。考古学について、功名争い、学歴社会のこと、捏造などの不祥事を思うときやや否定的であったのですが、考古学はどんなに苦しくても夢のある仕事だということがわかって、目がさめたというところです。いいお芝居をありがとうございました。

心がほのぼの温まるようなひととき、ラストシーンがとても印象的でした。観客は舞台を自分と重ねて見ています。私としてはあんなおばあちゃんになれたらと思います。心にずっしりと重い演劇でした。50回にふさわしいすばらしい例会でした。今までの例会を一つ一つ思いだし、又、新しい第一歩を踏み出す喜び、いつまでも鳴門市民劇場の灯をともし続けたいものです。手をつないで頑張りましょう。

明石原人のツアーにも参加し、事前に直良信夫・音夫婦の事を学習していたので、よく理解できました。好きな事だが、ずっと続けるあなたを尊敬し、信頼すると音婦人が言っていた事に共感しました。  

舞台写真5

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