二人の老女の伝説

鳴門市民劇場感想集

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広大なスケール感!暗くなりがちなストーリーも歌と踊りで楽しく、失意のどん底から生き抜く力強さはすばらしい!

 今回はいつもの劇ではない、人生の苦労、生きていく知恵、 老女でなければ……何かもうひとつ迫力がなかった。舞台の変 化がいつも、もうひとつ?

一人一人の歌唱力、踊り、素晴らしく迫力がありました。
  二人の老女が蓄えた知恵を出し合い生き抜いていく姿をユーモラスに表現している楽しい舞台でした。

中央が坂になっている舞台、坂を利用している為二人の老女がよく見えた。又何度かころげ落ちる場面もあり冷やっ!!としたり更に楽しく見せていただきました。
  お当番で搬入した板(小道具)がライトで美しく輝いたり怪しく影を落とし舞台を様々な表情を見せてくれて見とれてしまいました。
  苦しい時程みんなが力を合わし乗り切ることの大切さに気づき二人の老女も特技(生活の知恵)を生かし、生き抜いて未来を切り開いていく勇気を私ももらいました。ハッピーエンドでよかった。

昔の文化座の芝居はどこへいったのでしょうか。

思わず身を乗り出すおもしろさでした。
  鈴木光枝さんの面影を佐々木愛さんに重ねて感動しましたし“老人讃歌”はうれしいものです。
  “楢山節考”のおりん婆さんにこのひばり婆さんの反骨があったら……日本の風土では無理なこと、そんな事思わせる深い深い作品です。       

アラスカのこともはっきりわからない者にとっても二人の老女の生きざまは見てとれました。
  コーラスや舞踊も楽しかったし、それぞれの声も素晴らしかったです。

飢え苦しみ生きていく望みをもち、長年の人生経験と知恵で色々な苦労をし希望とはげまし、そして若さでは生きていく体力でなし、老女ゆえの知恵などで彼女たちの命を救った劇であった。
  舞台の装置の大きな変化が少なく面白さが少なくミュージカルの時ぐらいもう少し考えた方がよいと思います。

このお芝居を見て、二人の老女からどこに生きようと人間の気高さを忘れない、勇気ある生き方を教えられました。素晴らしかったです。
  観劇ひろば「うずしお」に掲載された(2頁)星野さんのインタビュー記事も良かったです。

さすが文化座!
  最初から最後まで素晴らしかった。ストーリーも良くて二人の老女はもちろん、歌あり踊りありの舞台は想像以上で感激しました。

同年代の二人にこれからの自分なりの生きる力をもらいとても感動しました。

性格の違う二人の老婆が極寒の地で必死に生きようとする姿に胸を打たれました。
  一つの舞台で僅かに変化する中での迫力ある、又リズミカルに展開する様子は素晴らしいものでした。
  佐々木愛様の歌もよかったです。

アラスカの二人の老女が「行きぬくための知恵、勇気、無限の可能性」を伝説として後世に伝えたかったのか?(結果的に)。そして今の軟弱な若者達に教えたかったのか?「生きる」ことの意味の重大さを考えさせられる舞台でした。

ひとりで生きるのは大変難しい。
 二人で目的を持ち、それぞれの得意な分野で力と知恵を出し合いながら前進。その間にも置き去りにした部族の人達の分まで食料や防寒具を蓄えていた。母性のような気がする。やる気が必要。
 人は支えあって生きていくものと改めて再認識しました。

歌も舞台展開もとても良かった。

「楢山節考」が頭をよぎりました。
  考えなければいけない問題と思いますが不思議な時間でした

集団から見放された老女二人、その性格の違う二人が互いに補い合いながら、子供の頃楽園と思えた場所に向かう。そこへ、見放した集団も最後の希望の地としてやってきて、老女二人に助けられた格好になる。筋は単純だがエスキモー人の生活の厳しさが伝わった。

もう年だ、あちこち痛いとか、あれこれ出来ないなんて思い込まないで「二人の老女」のように生きてやろうという気概で前向きに生きなければ。

アラスカの二人の老女と同様に日本の我が母(老女)も生活の知恵や生きる力たくましく負けてないと思いました。自分も死ぬまでとことん闘って死んでやろうじゃないかという気構えで生きたいと思いました。

老女二人のたくましい生活の知恵と勇気に感動しました。

年齢を重ねるにつれ,何か淋しく、切なくやりきれない思いをすると時がありますが、今回の作品を観て己の考え方一つで、どのようにも変われると云うことを改めて気付かされ何事にも前向きに……と元気が出て参りました。すばらしい作品を有難うございました。

雲雀と星が生きる為の知恵と勇気をもち、力強く自然と戦う姿は素晴らしい。又、ダーグーが雲雀に淡い恋をしていたことを話すシーンはちょっとホロリとしたり、笑ってしまいました。
  劇中の歌はとても楽しめました。

老女はあらゆる生活の体験者、知恵も豊かです。良い所を見習って老若云わず助け合い力を合わせば何事も乗り越えられる事を教えられました。
  いつも思うことですが場面が暗くもう少し明るくしてほしいです。

今回この市民劇場の会員にしていただいて初めてのお芝居を楽しみにしていました。この「二人の老女の伝説」を見せていただいて思ったことは、どこの国でも古今をとわず、老人弱者にしわ寄せが来るということです。その半面、人間特に女の強さ、したたかさが前面に出されたお話しで悲しみ、哀れみよりも、どうだ女の逞しさを知ったか、という小気味よい気持で劇場を後にした思いでした。

伝説、物語……土地や民族ごとに数々あるのだろうけど、こんなに力強く痛快な展開のものは、少なくとも日本では思いつかない、(だいたい、道徳を説いたり勧善懲悪モノ…?)こんな話を語りついでいるアラスカインディアンの人々、それを苦労して文字に残したヴェルマ・ウォーリス(原作者)そして、それをこんな作品にして届けてくれた文化座に敬意を表して感謝したい。
  また少し意外なことだったが作中には星野道夫さんが綴り残した、アラスカの現実、アメリカの中のアラスカが現実的に抱える問題などもおりこまれていて、西洋文明、先進文明と歴史ある旧い世界の間で生じる軋轢をどう考えるかなど、遠い北の大地の話にとどまらない、いろいろなことを考えさせられた。こんな劇の組み立ても個性的でよかったと思う。

「姥捨て物語」なんて悲しい言葉だろう。コーラスや舞踊が交ざっていてもやっぱり全体に暗いイメージで……でもセリフなどの声がはっきり聞きとれたところがよかった。

私も老女ですから、このお芝居に興味をもって観に行きました。そして、それぞれにすぐれた才能と特技を持つ二人が、お互いに助け合い、決断し、たくましく生きていく姿に感動しました。ほのぼのと、あたたかい想いで帰ってきました。

都会で出会ったおじいさんの歌声が胸に染みるようでよかった。

この物語は西洋文明がやってくる遥か昔から生まれ、世代から世代へ人から人へと語り継がれたもので、史実に基づいたものであるが、余りにも悲しい物語である。
  私には、観劇前に読んだ原作本や、例会ニュース等で紹介された内容から想像していたものと、正直いって少し内容が違った風に進行していったように思えました。
  この二人の老女の伝説は、ストーリーとしては単純な物語です。二人の老女「雲雀、80才」と「星、75才」が主人公で、この二人が、集団から口減らしのため捨てられ、最初は死を覚悟したところから始まりました。そして、二人の色々な、想像を絶するすさまじい執念から「死んでたまるか、生きてやろうじゃないか」という行動が始まります。
  悲しみ、恨み、怒り、そして死に直面した二人に、生きる本能、長年培われてきた経験、知恵が徐々に蘇えるのであるが、劇中ではこのような場面があまりなく、少しもの足りないように思われました。(一年間に亘る壮絶な生き様があってもよかったかな〜とも思いました)。しかし舞台では、時間の制限や設備面との兼ね合いもあったのだろうと思い、仕方ないかなと思います。また、このあたりの補足は、脚色により、前田海帆さんを語り部として登場させ、うまい話し方で、劇間の継を演出してくれ、劇の流れはよく分かりました。主役である雲雀さん、星さんを佐々木愛さん、新井純さんが役にはまって見事に演じてくださいました。(少し役柄よりも若すぎるかなと思いましたけど…笑)。また全体としては、劇中で歌あり踊りありで華やいだ場面が多く、一服の清涼感を与えてくれたように思います。
  最後に、この劇では、一年前に自分たちを捨てたリーダーを憎み怒り続けてきた二人が、一年後は紆余曲折の中で元の集団に再会しますが、特に娘と孫息子とは血を分けた家族として許し合い、集団には二人が蓄えた食糧や毛皮を分け与えます。一方集団は、二人を捨てたことを反省し、和合でき、ハッピーエンドで終わったので、大変よかったと思いました。

素晴らしい演出でした。暗くなりがちな舞台がリズミカルな歌と音楽で明るく魅力ある作品でした。極寒の地で生き抜く二人の老女の知恵と勇気と力強さが胸に伝わってきました。
  伝説に限らず高齢化社会の情勢の中、私たち人間としてどう生きるかが、問われる舞台でした。
  徳島で見せていただき会場の雰囲気に圧倒されました。

二人の老女が主役ということで、観劇するまでは暗いイメージの舞台を想像していたが、歌あり踊りありで、性格の違う二人の老女を力強く演じている。佐々木愛さん、新井純さんに元気をもらいました。素晴らしい舞台でした。

若い者たちに捨てられたはずの二人の老女が、その若い者たちのために、豊かな土地を見つけることに最後の力を振り絞る姿に感動を覚えた。

高年齢に達して、生きることにすべてをかけて戦った二人の女性と自分を重ねてしまいました。とても重いテーマでしたが思いを共有しつつ、舞台に引き込まれました。やればできるという元気も頂きました。
  セリフが聞きづらかったのが、残念です。サークルの人からは舞台全体が暗いという声が聞こえました。
  老人の知恵と女性の強さに感動した舞台でした。

舞台のストーリー展開に平行して、色々なことを考えていました。こんな風に劇を観ることもあるのだなと感心しました。
  舞台作りも凝っていましたね。本番だけでなく前後の流れに参加するとよけいに深く楽しめます。どうもありがとうございました。

いつも仕事の合間に市民劇場を見させてもらっています。疲れもあり、途中で眠ってしまう私でしたが今回は初めから終わりまで熱中して見ることができました。
  とかく老人切り捨て的な昨今ですが“そうではないんだ、老人には老人の智恵とバイタリティがあるんだ”という、メッセージを持った感慨深い作品でした。
  日本にも姥捨て山という物語がありますが、ただ死を待つのでなく、命ある限り人間らしく生き、生活を開拓していく二人の老女に勇気をいただきました。

文化座さん、お久しぶりの気持ち。前回は鈴木光枝さんが存命でいらして終演後、大道のロンドン屋で交流会をしたのを思い出し懐かしい思いで例会を迎え、又運営当番の例会でもあったので格別の思い入れのある舞台であった。取り残された二人の老人の「生きてやろうじゃないか」のたくましい老人力に圧倒された。極寒の地で生き抜くには今までの経験や生活の知恵が生かされる。これが一人であったらどうであろうか、性格の異なる生き方も違っていた二人であるが“ふたり”で取り残されたからこそ、生き続けられたのだろう。どんな状況でも前へ向いて進んでいく大切さを教えられた。

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