2004年7月17日熱演を終えられた俳優さん7名と、100名以上の参加者、そして運サ当番005の藤田さんの司会による交流会!舞台に賭ける情熱や意気込み、役柄への思いなどを語っていただき、「巨匠」という芝居がより深く心に残りました。
司会 自己紹介を兼ねて一言お願いします。
西川 Aという役をやりました。
南風 女教師役。演劇の原点ともいうべき「巨匠」で、大滝さんに恥ずかしくない演技をと。鳴門は大きな会場なのに静かに観ていただいてありがとう。
稲垣 鳴門は一度来たいと思っていました。ピアニストの役です。良い舞台ができました。
安田 通訳の役。「君はいま何処に」で一度鳴門に来ています。
大滝 以前「君はいま何処に」で来ました。芝居の原点といわれている「巨匠」ですが、いいお客様で私達も良いお芝居ができました。司会 「巨匠」は八十八回目だそうですが、四国には八十八ヶ所巡りがあり、一番札所が鳴門にありますので、すばらしいご縁を感じます。大滝さんは読売演劇賞男優賞にノミネートされました。(一同、拍手!)短いけれど、ずしりと重い芝居だったと思います。
大滝 来月三日まで演じます。今日で八十八回、最後まで良い芝居にするため、素直な意見を聞きたいです。
鈴木 ゲシュタポ役。怖がらないで。会員 健康管理はどのように?
大滝 七十九歳、元気に見えるらしいが色々病気にも。かかっていないのは産婦人科くらい。煙草は吸わないが酒は毎日飲みます。健康管理に関心はありますが、別に何もしてないですね。
南風 私は七十四歳。自分の体であって自分の体でない、私が欠けると芝居が駄目になると思い、いろんな面で緊張感があります。舞台では八十歳にも若い役にも・・。人間好きで常に何事にも興味を持ち、感動します。役に向かっていく俳優であり続けたい。司会 俳優が俳優であり続ける力を、どう持っていかれているのでしょうか。
鈴木 悪い役ができる役者はいい人間です。自分は良い人と思っています。
稲垣 じいさんですが、ピアノは合っていましたか?本当に弾いています。役者の勉強と思い、練習しました。会員 すごくいい声。発声練習は?
稲垣 常にやっていますよ。会員 劇中本当のドイツ語だったのですか?
安田 そうです。ドイツ語が分かる方は理解してくれましたよね? 大学の先生に、正確なドイツ語を習いました。会員 劇の最初の説明の部分のあとで、客席がざわついたのは?
鈴木 これは作家木下順二のねらいです。作家の、我々への挑戦状です。「よくわかった」という芝居もあるが、「なんだかよくわからなかった」という事が、観終わった後もずっと続いている、ずっと考えさせられる、それが作家のねらいです。宇宙の中の小さなポーランドの国でこのような出来事があった、ああいう人生があった、ということです。民藝で三演目、難しい芝居です。やっとここまでやってこれたという自信があります。僕たちにもまだ分からないところがたくさんあります。皆さんも考えてほしい。現代のイラクの状況にもふと思い当たったりもしますね。司会 大滝さんがドアを出て行く時、振り返って若い役者に顔を向けた、その意味は何でしょうか。
大滝 自分のやった事は間違っていなかった、俳優である証を見せるためにやったことです。老人は「私は俳優であった」という事を、青年に証明したのだと考えています。つまり、英雄と俳優の証を見せたのだと思っています。司会 舞台を終えたばかりでお疲れのところ、どうもありがとうございました。
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