2005年11月11日「竜馬の妻とその夫と愛人」終演後鳴門文化会館ホワイエにて出演者のみなさんと鳴門市民劇場会員の交流会が行われました。
- 司会
- 4人の皆様には公演後お疲れのところご参加いただきどうもありがとうございます。ヴォードヴィルショーの皆様にお会いするのは2003年の「その場しのぎの男たち」以来2年ぶりですが、今日は前作以上に楽しかったように思います。最初にひとことずつお願いできますか?
- 佐藤
- 今日はもう舞台でしゃべりすぎたので、しゃべることがあまりないんですが(笑)。いつも大勢集まっていただいて嬉しいです。高知から徳島に入りましたが、その土地ごとに反応が違いますから毎回真剣勝負ですよ。今日のお客さんは「大人の雰囲気」、じっくり観ていただいた感じですね。
- 平田
- B作さんがすべて言ってくれましたから言うことはないです(笑)。今日は雨の中、また寒いところ来ていただいてありがとうございます。僕は四国は初めてなんですが、いいお客さんばかりで。機会があればまた来たいです。
- 佐渡
- お2人がしゃべってくれたので、もう言うことはありませんが(笑)、毎回どうもありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いします。
- あめく
- 四国は暖かいのかと思ってたんですが、意外と寒いんですね。でもお客さまはみなさん温かくて、この会場はとても広いのに広さを感じなかったです。みなさんをとても近くに感じられてよかったです。
- 司会
- では会場から質問をどうぞ。
- 会員
- 虎蔵さんが「つけ眉毛」をバリッとはがすシーンがありますが、あれは痛くないのですか?
- 佐渡
- ちょっと皮がむけましたけどね(笑)。いや、痛くはないですよ。
- 会員
- 最初にセミのシーンがあって、飛んでいるように見えましたがどんな仕組みになっているのですか?
- 佐藤
- それはいい質問ですね〜。いやぁ、今日はうまくいきました(笑)。実際はですね、音を流していまして、それで飛んでいるような雰囲気を作っています。あと、僕の目線の演技ですかね...。(会場拍手)
- 会員
- セミを1回切ったあと、もう1回鳴きました。あれは、セミが2匹いたってことなんでしょうか。
- 佐藤
- いや、後の鳴き声は断末魔の声ってことで...(笑)。
- 会員
- 私たちは2時間本当に感動しっぱなしでしたが、役者さんたちは2時間しゃべりっぱなしで、どうやって台詞を覚えるのですか?離れ技としか思えません!
- 平田
- 今回は再演ってこともありますけど。やっているうちにできてきますね。その日その日...です。
- 佐藤
- 今日は「カンペキ」だったでしょう!(爆笑)
- 会員
- このお話はどの程度実話なんですか?
- あめく
- 設定は本当のお話です。おりょうさんは、実際に龍馬なきあと、呉服屋の松兵衛さんって人と再婚しています。それから、龍馬を尊敬していた覚兵衛という人も実在。虎蔵さんだけが三谷さんの架空ですね。
- 佐藤
- 本当に、おりょうさんは龍馬なきあとはひどい生活だったようです。
- あめく
- 69歳まで生きているんですが、後半はアル中で悲惨な生涯だったといいます。
- 会員
- 今日のあめくさんは艶っぽくてとてもよかったです。三谷さんの脚本は計算された笑いがこめられていますが、アドリブはないのでしょうか?
- 佐藤
- アドリブはありませんよー。あの売れっ子の三谷くんのホンですからね、「キチッと」やっています(笑)。いや、ほんのたまに、「生の気持ち」が口にでることもありますがね.... (爆笑)。
- あめく
- あるある!(爆笑)アドリブはB作さんだけです!(笑)
- 佐藤
- 「台詞」を「アドリブ」のように言うのが、また「技術」なんですねェ〜(大爆笑)。
- 会員
- 後半では盛り上がって、会場もしーんとなってよかったです。
- 会員
- あめくさんが途中で笑っているように見えたのですが、あれも演出の範囲なんですか?
- あめく
- はい!ちゃんと決められたとおりです。アドリブじゃありませんよ。
- 会員
- あめくさんは舞台の上では妖艶でまたとても大きく見えたのですが、実際にここで拝見すると少女みたいです。それだけ演技力がすごかったのだと感服しました(大拍手)。
- 会員
- テレビでいつも見ている人をこんな真近に見ることができて嬉しいです。
- 会員
- 楽しい芝居で...どうもありがとうございました。最後のオチ、そしてカーテンコールでもオチがあったような芝居は初めてです。あめくさんからはホルモンが流れてきた気がします。
- あめく
- ホルモンですか!?夕べホルモン焼きを食べたからかな。
- 会員
- あっ、フェロモンでした(大爆笑)。
- 会員
- みなさんテレビにも出ていらっしゃいますが、テレビと違うところ、舞台だからこういう風に...という工夫はありますか?
- 佐藤
- そんなに違わないですね。そのときの役の気持ちでやっています。テレビだと映像の枠というものがありますが、その都度、役の気持ちを大切にしています。
- 平田
- そのとおりです。
- 佐渡
- 基本的に同じです。
- 会員
- テレビはカメラが動いていて、たとえばアップとかありますが、どう感じますか?
- あめく
- 基本は同じですね。ただ映像だと声はマイクを通るので大きすぎると駄目です。違うことは声の出し方くらいかな。
- 会員
- 実は鳴門市民劇場にも「平田満」さんがいます!(会場のそっくりさんが引っ張り出されて一同拍手!)
- 会員
- 今年もヴォードヴィルショーに会えるのを楽しみにしていました。劇中「おりょうさんの匂い」というのが出てきて気になりました。みなさんにとって、今まで一番印象に残っている「匂い」は何ですか?
- あめく
- 金木犀の匂いが好きです。今回高知に入ったとき、ちょうど金木犀のいい香りがしていました。おりょうさんの匂いもこんなんだったかな、と。
- 佐藤
- 僕は温泉町育ちで、町には芸者さんが100人くらいいたんですね。それで、その芸者さんたちのおしろいの匂いが残っています。「大人の女性の匂い」と、胸ときめきました。(あめくさんを指して)今も、こっちに時々つけさせて(嗅いで?)います(爆笑)。 平田くんには芝居に独特の「におい」がありますね。
- 平田
- 僕は海の匂いが好きで、この鳴門に来たときもそれを感じました。
- 佐渡
- 僕は名前のとおり佐渡島出身なもので、やはり小さいときにイカや魚を干していた匂いが懐かしい。その頃はそういう生臭い匂いが大嫌いだったんですが、大きくなるとそれがふるさとの匂いって気がしますね。
- 会員
- この作品には坂本龍馬は登場しないのですが、みなさんが描いている龍馬像はどういうものですか?
- あめく
- あの有名な写真がありますよね、あのイメージや、いろいろ本で読んだイメージを描いています。それから、龍馬の句で「世のひとは われをなにとも いわばいへ われなすことは われのみぞしる」がありますが、そんなイメージも持っています。
- 佐藤
- (感心して...)ほぉ〜!?どういう意味?なんか小泉さんみたいだね。
- あめく
- (B作さんに)勉強になった?(大爆笑)
- 佐藤
- 龍馬は田舎の下級武士だったけど、そういう下っ端がイッパツことをやると思ったらそこからがんばってのぼりつめた。剣は強かったらしいですけどね。人間誰でもやるぞと思ったらやれるもの...。逆に思わないと何もできない。あきらめてはダメと思う。ちなみに、イメージとしては、北大路欣也さんが僕の龍馬像かなあ。雰囲気が似ています。武田鉄矢さんはダメ!(笑)
- 平田
- 32歳くらい、若くして死んでしまった人で惜しいといえば惜しいんですが、いいときに死んだという気もします。輝いたまま死んでいきましたから。僕らのように先が見えてきた人間にはまぶしい存在ですね〜。友人にも若くして死んだ人がいますが、ある意味でいいなという気がすることがあります。
- 佐藤
- 僕らは「生きているんだ!」(劇中台詞のもじりに大拍手)
- 佐渡
- スケールが大きい人でした。土佐の太平洋をみて育った龍馬と、佐渡島の海を見て育った自分とはだいぶ違うなと思います。今龍馬がいたら、この日本をひっぱっていったかな、という予想もできますが、たぶんそういうことはしないんじゃないかな。世界へ目を向けてやりたいようにやる人だったのだろうと思います。
- 司会
- それではお話は尽きませんが、そろそろお時間ですのでこのあたりでおひらきにします。みなさまお疲れのところ、本当にどうもありがとうございました。
E-mailでのお問い合わせは 鳴門市民劇場ホームページ nrt-geki@mc.pikara.ne.jp まで。