2007年5月21日「菜の花らぷそでぃ」終演後鳴門文化会館ロビーにて出演者のみなさんと鳴門市民劇場会員の交流会が行われました。
青年座より出席されたのは、稲葉鉄人役の青木力弥さん、とし(鉄人の母)役の小竹伊津子さん、キャサリン・テイラー役のアンシア・フェインさんです。
- 司会
- まず、ひとことずつお願いできますか?
- アンシア
- ニューヨークから来ました。キャサリンは自分に似ています。私も日本が大好き。アメリカも観客が減って劇場はたいへんな状態です。日本では、このように運営サークル担当者が手伝って支えてくれていることに感謝しています。世界中、ほかには例がありません。温かい雰囲気をありがとうございます。
- 青木
- 去年から日本中を回っています。アンシアは日本語が上手なので助かっています。自分は若いときから農業をしているので、昔風の農業を知っています。今は機械化ですけど。昔親父と、黙々と土を深く(1メートルくらい)掘っていたのを覚えていて。「力弥」は本名で、歌舞伎が好きな父がつけてくれた名前です。この劇は198回目。初演は7年前でした。今回高知で200回を迎えます。途中で何度も書き直したり、書き加えたりしました。「今の農業」を考えていきたいと思います。
- 小竹
- ばあさん役です。自然体のばあさん役を演じたいと思っています。心も穏やかになるよう心がけています。
- 会員
- 私の名前も鉄子。成人して戸籍を調べると難しい漢字の方だったんですが。「『鉄』はカネを失う」と休憩時に友人と話していたので、劇中偶然この台詞が出てきて驚きました。
- 会員
- 青木さんは農業のほかに漁業もやっていらっしゃったと伺いましたが。
- 青木
- 遠州灘で生まれたんです。私は次男だったので、土地を分け与えてくれないですから、上京して役者になりました。当時は男だったら小学生でも一人前。母は女だから半人前。そういう時代です。私はロープを巻くのが上手でした、毎日訓練していました。海で泳いでいたので、泳ぎも上手くなりロープをもって陸まで行く。ハードな生活体験です。小さい頃の私を知っている人は、私が俳優になっているのをびっくりしてますよ。
- 会員
- 小竹さんは、8年前に鳴門市民劇場が独立したときの例会「愛が聞こえます」に出演され、パーティーにも参加してくださいました。
- 小竹
- 障害者差別がテーマの作品でした。私は、孫が重度の障害を持つ祖母役で出演しました。もうあれから8年になるのですね。青木さんは「キュリー夫人」でシュッツ博士役で来られていますよね。
- 会員
- 劇中、ホタルは、どのように操作しているのでしょうか?
- 小竹
- 夢をこわしたくないので、「企業秘密」にしておきます。大の男が6人がかりで、人力でやっています。
- 会員
- 重い課題の芝居ですが、演じるときにポイントとしている点を聞かせていただけますか?
- 小竹
- 俳優それぞれと思いますが、ご覧いただく人の方もそれぞれに受け止めていらっしゃると思いますし、ひとりひとり違って同じでなくていいのではないでしょうか。
- 青木
- 「身土不二」という言葉は辞書にはない。日本流にいえば「地産地消」ですね。地域でとれた野菜を旬に食べる。十分解明されていないが、今、地球は循環の中で汚染されたものが入って、危ない状況ではないかと思います。農薬を使わず、ホタルが住める状態にすれば、安全な食生活ができる。ホタルはその象徴です。消費者が安全なものを欲しがれば、生産者も安全な野菜を作る。安全な野菜を食べて健康な生活ができる。そう考えれば農業には未来があると思いますね。舞台では、観られていると意識すると緊張します。うまくやってやろうとすると緊張します。この二匹の悪魔がいます。二匹の悪魔を退治する方法は、自分のやろうとしていることに集中すること。集中すると悪魔は去っていきます。
- 小竹
- 声に注意して演りましたが、今日、台詞は聞こえたでしょうか。声は聞こえても内容が聞き取れないこともありますよね。練習のときには、聞こえるかどうかお互いに注意し合っていますが。
- 会員
- 会場の中ほどに居ましたが、よく聞こえました。
- アンシア
- 自分の息子が外国人のお嫁さんを連れてきたら反対する人が多いようですが、みなさんはどうですか?
- 会員
- 私は反対します。ちょっと考えますね。でも最初は反対するけど、最後は息子の気持ちが強ければしょうがないかな……鉄人と同じ気持ちです。
- アンシア
- そうですか。お母さんはやっぱり優しい(笑)
30分間はあっという間に過ぎました。
役者さんたちは、熱演後の疲れもみせず、質問にも快く答えてくださり、本当に楽しいひとときでした。
E-mailでのお問い合わせは 鳴門市民劇場ホームページ nrt-geki@mc.pikara.ne.jp まで。