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「赤シャツ」

劇団青年座

鳴門市民劇場2010年5月22日例会 感想集

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鳴門例会カーテンコール

夏目漱石の原作を精読しなければと思いました。人さまざま、視点さまざま。痛快小説でないこの世の中をそんな視点で見直したいですね。

今回の劇場は有名な「赤シャツ」という作品で、テレビ、映画本等で知れていてほとんどの人が知っていると思われます。舞台で鑑賞出来とてもうれしかった。また1幕、2幕、物語によって変わり、3幕は廻り舞台で工夫していて良い劇場でした。尚外灯は2幕は何も光が出ていないのが大変残念でした。
  今後も物語、進行によっては今回のように舞台の変化をお願いします。

今回の「赤シャツ」は漱石の「坊っちゃん」の本を読んでから観劇しました。
  小説の中の“赤シャツ”と役者さん演じる劇中の“赤シャツ”のイメージを重ね合わせることでそれぞれの“赤シャツ”像が特徴を持っていて楽しく拝見できました。演劇は役者さんの個性を見ることができるところがよいですね。以前も原作の小説があって、それが劇になり、映画にもなったものもありましたね。舞台でどう演じられるのか、興味津々です。これからも色々な視点から観劇していきたいと思います

今日、後方の席で聞こえにくかったら……と思っていたがとても声も良く通りわかりやすかった。
  話の内容もとてもわかりやすく楽しめた。

赤シャツが主人公の坊っちゃん。
  青春時代に読んだ坊っちゃんを想い出しながら楽しみました。
  セリフがききとりにくい時があり、ちょっと残念でしたが……

軽妙なセリフと良く出来た脚本で、心地良い落語を聞いているような感覚がしました。

ぼっちゃんから見れば鼻もちならない赤シャツも見方を変えれば不器用でやさしい。良い芝居だったと思います。

見方を変えただけで、こんなにストーリーが変わってくるんだと楽しく、そしてせつない気持ちで観劇しました。
  噂の原因は“八方美人”な性格と自分がまいた種だけど、赤シャツという人物を理解しようとしない人間関係をいかがなものかと……?ウシと小鈴の存在が救いでした。
  改めて「坊っちゃん」を読んでみようと思いました。

それぞれの役者がそれらしいなと感心“うまいな”と思った。セリフが面白く聴きいった。
  赤シャツは嫌な奴かと思っていたがほんとは優しい人で、周りに気を遣い誤解される人だったんですね。
  正直で真直ぐに生きたいと思っていますが、それも難しい。人生とかく思う様にいかないことが多いと思います。それでも前向きに生きていきたい。

小説「坊っちゃん」に出てくる“赤シャツ”のイメージと、少し違った“赤シャツ”でした。今井和子さんの「ウシ」が場をなごませてとてもいい感じで楽しかった。

赤シャツが、「五十年後、百年後には、誰もが自分の損得勘定ばかり考えている様な、そんな国になるだろう」と語っていたが、正にその通りになっていると思い知らされるとともに、赤シャツが自分の生き方について苦悩する姿には、身につまされるものを感じた。
  小説「坊っちゃん」は痛快な青春物語であるが、その中では優柔不断、陰険で嫌味な人物として描かれている赤シャツが、このお芝居の中では、気の毒で同情を覚える存在に思えてきて面白かった。同じ登場人物、同じキャラクターで、これだけ面白い話に作り変えてしまったマキノノゾミの手腕に脱帽。でも、小説「坊っちゃん」を読んでいないと、このお芝居の面白味は半減するだろう。
  今井和子さんのウシは好演で、大いに笑わせてくれた。

坊っちゃんのイメージでゆったり観劇と思っていたのに始まりからセリフのやり取り、声色、話し方のテンポに圧倒され勝ちでした。舞台が面白く変化して一生けんめい観れました。少し疲れたのか後のおしゃべりが少なかった。

おもしろかったですね!!

ものには光と影、裏と表がある。敗者と勝者では言い分見方がかわってくる。まさにこの「赤シャツ」も主人公坊っちゃんの目ではなく、赤シャツの目から見た事件のてんまつが描かれている。そこにこの劇のおもしろみがあった。赤シャツは赤シャツなりに、いっしょうけんめいやっているのに、うまくいかない。むしろこじれてくる。彼がふともらした「なんでこうなるの!」この言葉がすべてを表していると思う。
  舞台装置も柱など外枠はかえずに壁や床を変えることで和室になったり、洋室になったり工夫が見られ楽しかった。

世の中を上手く渡っているように見えて、完璧でなく思惑通りに上手くできていない感が出ていて、小説のお話と思いながらも現実味を感じながら観劇しました。

「赤シャツ」を観る前に、前もって坊っちゃんを読んでいたおかげでストーリーが理解しやすく、非常に楽しめました。また同時にいろいろと考えさせられる内容だなと思いました。
  狡猾で意地悪いと思っていた赤シャツですが、実は八方美人故に誤解されているだけであり、そういう自分を嫌っている。そして正反対の性格を持っている坊っちゃんに対して憧れのようなものを持っているという発想が予想外に面白く、なおかつ原作との間で矛盾が生じておらず、その内容に感心しました。
  今回が初めての演劇だったのですが、とても楽しく、次回の演劇が楽しみです。

恥ずかしながら原作を読んでなかったので、直前まで「赤シャツ」というのが「坊っちゃん」のパロディであるということは知りませんでした。原作で赤シャツは坊っちゃんの宿敵で嫌なやつとされています。しかし、私には劇中の赤シャツがそれほど嫌なやつには見えませんでした(確かに西洋かぶれっぽくて周りから激しく浮いてましたが…)。誰にでも良い顔をしていると誰の信頼も得られないということを含めいろいろなことを考えさせられる作品でした。

最近では一番良かったと思います。観劇後に行きたい所があり、途中で帰ろうと思っていたのですが、最後まで見たくなり、後の用事は別の日に変更しました。

鳴門例会カーテンコール

すごく楽しめました。舞台から目が離せず、時間のたつのも忘れて……。面白い反面、人の心の物悲しさもしみじみと感じる作品、「坊っちゃん」とはまた別の人の心の深さを感じました。終わりも多分そうなるだろうなあと思っていました。
  今井和子さんは昔から新劇にいらっしゃったのでしょうけど、映画全盛期に味のある脇役で出てらっしゃったことも思い出しました。そんなすばらしい役者さん、皆さん光っていて、長い時間、観客を惹き付けて、素晴らしかったです。

赤シャツも自分の気持ちにすなおになれたらよかったのにね。
  ウシの赤シャツに対する気持ちがやさしく接していてよかった。

「赤シャツ」はああいう性格だったのでしょう。さらに、ほんとうは口べたで、自分がしゃべった言葉が周りに逆にとられてしまい噂も大きくなって、しまうのでしょう。また、行動が遅くひっこみじあんだったのかな。
  私は「金太郎/新聞記者」の役者さんが凄いなとおもいました。役柄が全然違うタイプをこなしてしまう。やはりベテラン役者さんですね。 
  「山嵐」すごい台詞 あの大声でしゃべる台詞に圧倒されました。
  「赤シャツ」長い台詞を淡々と喋る…これも凄い。
  何もかも圧倒された…感激です。

「赤シャツ」は大変楽しませていただきました。
  原作坊っちゃんのシーンと入れ子構造のように組み合わさって、うまく話がまとまっていく脚本も、憎らしいはずの役を可愛らしさを感じるように演じた役者の方もすばらしかったと思います。
  惜しむらくは、赤シャツが、山嵐が近々退任するのではと噂する部分のフォローでしょうか……。

おもしろかったけど、いくつか批判的なコメントです。
1、最後の赤シャツのせりふ「50年後は利益に敏い人間ばかりが残るだろうな」は余計と思いませんか。あれは観る人にそう感じさせればいいことです。説教みたいでがっかりしました。
2、弟がうるさかったですね。
3、鳩山さんも赤シャツみたいにいい人なんだろうなと思いました。いい人は政治家に向かないと思います。

本当におもしろかったです。良い作品!!と心から感動しました。
  役者さんの熱演&ストーリー。3時間の長編にもかかわらずあっという間の時間でした。その後の交流会も楽しい時間を過ごすことが出来、感謝しています。
  交流会では「赤シャツ」の横堀さんと記者役の方とお話しできませんでしたが、「大家さん」とはいっぱいいっぱい話しも出来たし……とっても気さくな楽しい方でした。

パロディというとオリジナルの劣化コピーだったり、どことなく不快なものもありますが、この作品は全くそのようなことはありませんでした。むしろパロディというよりも創作というほうが適切とすら思います。
  原作で描かれる登場人物のイメージを壊していません。
  赤シャツは、その八方美人さに共鳴できる一方で相変わらずどこかでイヤなやつですし、のだいこは原作通りの脳天気な太鼓持ちでした。
  観劇後に家でもう一度原作を読み返しましたが、ストーリーにも矛盾がなくできており、改めてびっくりしました。

原作で読んだ「坊っちゃん」とは別の視点で見られて大変おもしろかったです。登場人物も視点を変えてみると全然違うキャラクターに見えました。一見八方美人に思える「赤シャツ」先生がとても人間味にあふれていました。ウシさんがとても印象に残りました。

たくさん「感想」を喋りたくなる作品でした。「あっぱれ」なところが多い。まずは、主人公なのに(笑)我々のイメージどおり「ヤな奴」のイメージのまま登場する「赤シャツ」(あっぱれ)、そしてそのイメージを壊さないままに、だんだんとなぜか観る人に共感を覚えさせて、最後は観客に「自分もほんとは“赤シャツ”じゃなかろうか」と思わせる演出・演技!(あっぱれ)終わり方も見事に微妙でした。最後の場面の「赤シャツ」の台詞は哀しくて(自分のような存在を完全に否定してしまう自虐的発言でしょう)切ない終わり方と思いましたが、あんな風に弱い自分を正直に小鈴さんに見せることであの後2人は幸せに?と楽観的にとれないこともないし、あれは作家の逆説的メッセージ「そんな世の中にならないように」と訴えてくれているんだと力強く受け止めることもできるでしょうし…。
  舞台装置すごかった(あっぱれ)(でも搬入・搬出のみなさまには他の例会の2倍くらいの労働量でした。本当におつかれさま)。ああ、まだ色々語りたいなあ。

夏目漱石の「坊っちゃん」を土台に主人公は「赤シャツ」であり、「赤シャツ」の視点からみた人間模様。
  いつも赤シャツを着用したキザな男の人、マドンナに横恋慕するイヤな男の人との今までの思い込みが見事に崩された。素の自分を理解されない世間という風の中で、お手伝いのウシや芸者の小鈴と心を通わせることができる赤シャツは一面幸せかもしれない。弟との相克か、人と人、兄と弟の血縁の中にも越し難いものをものを感じて「生きる」ことの大変さを思った。
  劇団からのビデオレターで今井和子さんの「ウシ役」に期待していたがとても良かった。

漱石の坊っちゃんと最初に出逢ったのは、小学生の頃か、中学生の頃か記憶は定かではないがもう50年以上も昔のことである。まがったことが嫌いで正義感の強い頼もしい先生・坊っちゃん、当時そんな先生に密かに憧れたものだった。彼とは対照的で己の知識を他人にちらつかせ要領がよく狡猾でいやみっぽい人物の赤シャツ、若いころは彼のような人間はどうしても受け入れることができなかった。今回はそんな赤シャツにスポットライトを当て、主役として登場するという、期待に期待を膨らませて、楽しみにしていた。坊っちゃんのゆかりの地を巡るツアーにも参加して期待度はマックス状態に……。
  それにしてもマキノノゾミ氏はすごい! 10代、20代、……60代 年を重ね、多くの経験を積みながら、今までの赤シャツ的人物にも共感する余裕もできてきたが、あらゆる角度から今回の赤シャツという人物像をつくりあげた。舞台終了時にはマキノ氏の思惑どおり、過去の赤シャツは完全に私の脳裏から除去されていた。

実は「坊っちゃん」を全く読んでなくて予備知識ゼロでの観劇でした。それがよかったかどうか……。
  赤シャツの世界にどっぷり浸かったひと時になりました。それは横堀さんが演じたから……?
  ウシさんも最高でした ♪
  「赤シャツ」の記憶が鮮明なうちに「坊っちゃん」を読みたいと思います。

大変わかりやすく、おもしろかった。

坊っちゃんをよく知らなかった私は、夏目漱石を読んでみたくなりました。

夏目漱石の作品といえば「坊っちゃん」です。
  今回の舞台はスマートな赤いシャツのよく似合う横堀悦夫さん主役の「赤シャツ」です。出演の皆さんが個性の強い演技で舞台にメリハリが出ていました。今まで私の思っていた赤シャツのイメージとは、少し感じが違った役柄でした。なよやかな体型に自分の意見と行動が裏腹に出てはっきりせず落ち込んでしまうタイプ、でも本当の人物は好感のもてる人です。
  下女のウシさんとの会話で心の通じるところ、小鈴が赤シャツを好きになるのもわかります。小鈴の御座敷すがた最高でした。うらなり先生のひ弱な感じが少しイライラしました。狭い舞台で取っ組み合いのどたばた演技、迫力がありました。
  「招かれた客」の出演者サイン色紙があたりました。今回で2回目です

今回の搬入時、トラックが2台きていた。今までにない多さであった。
  舞台は6場面あり、回転舞台で上手につくられていた。
  内容は、確かに「赤シャツ」が主人公で、いろんな場面で赤シャツが悩み、赤シャツは本当は気立ての優しい男ということがよくわかった。
  ものの見方を変えることは大切だなと思った。

あの「坊っちゃん」のハイカラ好きでキザ野郎「赤シャツ」が今日はなかなか好感の持てる、人の為に尽し、味のある人間になって帰ってきた。
  筋も通すし、悩みもかかえている。マドンナ、小鈴との関係、うわさは恐ろしい。中学生徒と師範校生との乱闘事件で事態の収拾に奔走する赤シャツ。根回しと交渉術を駆使するが日露戦争に湧く世相とマスコミ記者には理解されない。赤シャツのピンチ!ただどこまで本心なのか、見ている我々も疑いを持って見守る。
  ついに山嵐と坊っちゃん先生はこの城下町を去る。「山嵐と生一本の坊っちゃん先生、いいなー。私もああいう風に生きたいよ」とつぶやく、八方美人で、子どもの頃から苦労ばかりいしている赤シャツ、最後に小鈴の理解と純な心を得るが、それからどうなったのだろうか?結局は下女のウシが事情を一番よく見ていたということになる。
  狸校長も決して悪い人ではない。野だいこ、金太郎も当時の時代の味があってとても面白かった。
  後から青年座の役者さん達の写真を見て、こんな若い人達がやっていたのかとその演技力に改めて感心した。
  最後まで引きつけられ、立場によっていろいろ見方があるものだと感じさせる舞台であった。
  今回もとても面白かった。

鳴門例会カーテンコール
鳴門例会カーテンコール写真は劇団の許可を得て鳴門市民劇場Webページ作成委員が撮影しています。

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