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「樫の木坂四姉妹」ロビー交流会

2012年5月23日(水)
市民劇場会員
樫の木坂四姉妹出演者のみなさん
川口敦子さん 大塚道子さん 岩崎加根子さん 平田朝音さん
司会
終演後お疲れの中、4名の女優さんがお越し下さいました。今回の作品は、原爆のお話で、少し重いものもありましたが、原爆を題材にした劇としては広島を舞台にしたものは多い中、今回のように長崎が舞台である作品は貴重です。シンガーソングライターのさだまさしさんが長崎出身で、過去20年間、8月6日に、長崎で「広島に向かって歌う」というライブをされており、私は3回ほど聞きにいったことがあります。今日そんなことも思い出しました。放射能といえば、昨年の福島県での惨事、これも思いつつ観劇しました。感じたことは多いのですが、なかなか言葉にはしづらいですね。
では最初に役者の皆様からお言葉をいただきましょうか。
大塚道子さん
大塚
鳴門は…ここでやりましたのは多分初めてでしょうか?長崎の原爆の話はこの作品で4度目なんです。宮本 研の「ザ・パイロット」、これは原爆を落とした兵隊さんの話、それから、俳優座で田中 千禾夫の「マリアの首」も。「頭痛肩こり樋口一葉」や「ママの貯金箱」という作品では何度かお邪魔しましたね。ずごく前ですけど。うず潮を観に行った記憶があります。懐かしいです。
 
 
岩崎
こんばんは!この前が何年前だったか…覚えてないですねえ。「とりあえずの死」が最後だったとしたら、だいぶ前ですね。過去は忘れることにしているんです(笑)。前を向いて生きていますから(拍手)。大塚さんがおっしゃった「マリアの首」は、再演のときに私も出演しました。ですから原爆作品としては二度めですね。今日は、観ていただいてどういう感じだったかということを、むしろ私からおききしたいと思ってこの場に来ました。
川口
俳優座の作品ではないんですが、2、3年前に「出番を待ちながら」という作品で来ています。そのときはプラチナブロンドのかつらをかぶった姿でした。往年の女優たちがイギリスの老人ホームで…というお話でした。その前となると「黄金色の夕暮」ですね。今回は久しぶりで、嬉しく回らせていただいています。原爆関連では、地人会で毎年「この子たちの夏」という朗読劇をやっていたのですが、それはできなくなって、今は「夏の雲は忘れない」という朗読劇をしています。今年7月今治でやりますので、機会があればいらしてください。
平田朝音さん
平田
今日はありがとうございました。今日は「顔をうりたい」思いでこの会に出てきましたので(笑)、立って話します。この大先輩女優さんたちの「お母さん」役をやりまして…実際には同じ場面には出ないんですけど…、すごく勉強になりました。だいぶ若輩なんですが、福島のことがあり、世界中で今原爆のことを考えないといけない時代にこの作品をやれることは嬉しいです。俳優座はこんな風に真面目にいい作品を作っております。またこの先も来させていただきたいので、よろしくお願いします。
 
 
司会
ありがとうございました。それでは会場から質問や感想をお願いします。
会員
すごく長い台詞ばかりで驚きました。どのように覚えていらっしゃるのですか?
大塚
稽古の中で…でしょうか。でももう認知症の年齢でしてね(笑)、アブナイんですよ。毎年不安ですけど、でも何とかやってます。長年の習慣ということもありましょうか、台詞を覚えるということにそれほど苦労はしませんね。
会員
たとえば情景を浮かべながら覚えるとか、でしょうか?
大塚
そうですね。それと、何度も「声」に出して覚えています。
司会
自分も今日、言うことを色々準備してきたのですが、緊張するとアタマが真っ白になってしまいます。そんなことはないのでしょうね。
大塚
ありますよ(笑)。でも、同じことを考えていると、できます。経験と年の功でしょうか。
会員
今日は搬入を担当しまして、自分が運んだものがどうなるんだろうと期待して観ました。あの大きな樫の木の幕が開いて、被爆前と現在の家族の姿がタイムスリップのように交互に活き活きと描かれて、素晴らしい舞台でした。「自分が運んだものがあそこにある」という目でもみて、楽しかったです。劇は、四姉妹それぞれの性格がよく出ていて、ハツラツとした二女、また四女ゆめさんの、家を切り盛りする姿、面白かったです。さすが女優さんと、感心しました。家族の絆の大切さが言われる時代で、その意味でも感じるものがありました。私も戦中生まれなので、劇中でお母さんが炊事する姿、ぜんざいを家族みんなが喜ぶところとか…舞台装置を懐かしく思うとともに、いろんな場面に感動しました。
会員
心にしみる、しみじみとした作品でした。日本が誇る女優さんたちを目の前にして言葉が出てこないくらいです。でも地方公演はお疲れになることと思います。健康管理について教えていただけますか?
大塚
よく寝ることでしょうかね。年をとると早く目が覚めるとか…よくききますが、私は「いつまででもねていたい」。それが丈夫の基本かな?
岩崎
寝て、よく飲み、よく食べる。食べてますよ〜。おいしいものを食べると元気が出ます!
川口敦子さん
川口
これといったことはないのですが。今日は「働き者」の役だったんですけど、本当の自分は家事は好きでないんですよね。怠け者ですね、家では…。ここ(舞台)で働いてますから(笑)。それで、オフのときなんかは身体が痛かったりもするんですが、でも不思議と稽古が始まると元気になります!身体を動かし、台詞を覚える、それがいいんでしょうかね。
 
 
平田
こちらの皆さんはみんな80歳くらいになりますが、私の場合は…そんな年でもないので(笑)。そうですね、オフのときや、仕事が夜だけのときには泳いだりしてますね。今55歳なので、ここにいらっしゃる大先輩たちのように80歳くらいまで….まだ20年以上ありますけど、がんばれるように!
司会
大塚さんもスキーや水泳もご趣味とか。
大塚
この人(平田さんを指し)くらいまでは、たしかに私も泳いでました。テニスもね。その後、犬を飼って今は一緒に散歩。そのときどきで変わってますね。
司会
で、岩崎さんがスキ―でしたか?
岩崎
そうですね。今はちょっとやってませんが。シーズンものなので…。
司会
自分の母がちょうど皆様と同じ年齢です。感心します。舞台を観て、若さと元気をもらっています。
平田
ずっと長くやろう!(拍手)
大塚
まだまだ….この作品をずーっとやっていかなきゃならないので、死ねないんですよ(笑、拍手)
会員
今日の作品は長崎弁が多かったですね。前の席で観ていた方が長崎出身だったんですが、方言、お上手だと言っていました。だいぶ練習を?
平田
ポスターにもありますように、長崎演劇鑑賞会の方のご指導を受けたんです。それに、最初大塚さんが紹介した「マリアの首」というのも長崎が舞台の作品…なので、馴染みはあって、さほど苦労はしていないかと。
大塚
いやいや、そんなこと(苦労をしていない)ないですよ(笑)。来年は長崎で公演をします。
岩崎加根子さん
岩崎
長崎が舞台といっても、「お母さん」は仙台出身という設定だし、私の役はあちこち放浪している役だったので、長崎弁については「逃げ道」がありましたね(笑)。
 
 
 
 
川口
疲れて…つい自分の言葉になるようなとき、(基本が方言なので)困りますね。アドリブがきかない。
平田
今度、四国を舞台にする芝居のときには(方言指導)お世話になります!(拍手)
司会
芝居はとても「贅沢なもの」と思うんです。テレビや映画は不特定多数のために演じられているけども、芝居というのは、目の前の何百人だけのためにやってくれているものだから。役者の皆さんはテレビや映画のお仕事もされていますが、やはり舞台とは気持ちが違うものでしょうか?
大塚
このごろはテレビの仕事は少なくなりましたね。一時はよく出て、怖い役もしましたよ。そうですね、基本は同じです。でも、16歳からこの仕事をやっているのですが、芝居の楽しさを感じるのは、お客様がそばにいて、集中してみてくれている、反応を感じられる、芝居の方が、こちらも触発されますし、いいですかね。やっぱり舞台が好きですね。
司会
他の方々はどうでしょう?
岩崎
大塚さんが代表してくださったので(笑)。やはりお客様がいないと芝居は成立しません。よいお客様がいないことには…。なのでよろしくお願いします!
平田
私の場合はテレビの仕事はあまりないのですが…。ライブ感のある舞台はやっぱりいいと思います。今回もこちらに到着したとき、垂れ幕とかをもってきていただいたり、皆様との交流があったり、「よんでいただいた感」がとてもいいです。芝居の「一緒に作っている」感じもとても好きです。俳優座の若い子たちはブログなどもやってますし、劇団のホームページもみていただきたいなと思います。
川口
舞台はお客様と私たちのエネルギーの交換の場ですね。人間力のるつぼといいますか…。今はいろんなメディアが多くなっていますが、やっぱり芝居が好きです。
会員
今日は歌も出て来て、舞台で歌われているとつい一緒に歌いたくなるのですが、役者さんとしては、観客が歌うというのはどうなんでしょう?
平田
たとえばラストのシーンなら、一緒に歌っていただいてよかったですよ。
大塚
嬉しいです。
平田
松山が最初だったんですが、カーテンコールでたくさんの方が歌ってくださって、ちょっと涙が出るくらい感激でした。これから旅が始まるなあという思いもこみあげてきて。
大塚
古い日本の歌ですからね、是非歌ってほしいですね。
会員
リクエストしたいです。「琵琶湖周航の歌」をここで一緒に歌っていただけませんか。
全員
(歌う)
司会
話は尽きませんが、そろそろ予定の時間になってきました。今日は本当にありがとうございました。
会場の様子

E-mailでのお問い合わせは        鳴門市民劇場ホームページ
nrt-geki@mc.pikara.ne.jp
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