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山﨑加奈さんにリモートインタビュー


 劇団NLT公演「マグノリアの花たち」鳴門例会(2022年5月26日)で“マリン”をされる山﨑華奈さんを松山市民劇場会員が5月7日(土)リモートでインタビューし、鳴門市民劇場会員がリモートで傍聴しました。

山﨑華奈

松山市民劇場(以下松山と略) 今まで演じられた中で印象に残っている役を教えてください。。

山﨑華奈(敬称略 以下山﨑と略) やはり今回のマリン役でしょうか。この作品は映画にもなっていて、私は皆さんよりも若いときに母から勧められて見たのですが、すごい衝撃でした。いっぱい泣きました。いつか大人になったら、50才を過ぎるくらいになったらやりたいなあと思っていました。(ここで、シェルビー役の𠮷越さんが通りがかり画面に登場。山﨑さんが紹介して…)“娘”のシェルビーです!

松山 台本を読む上で心がけられていることはどういうことでしょうか。

山﨑 この劇団に入って間もなくのとき、音響の方ですごく偉いヤハタさんという方がいらっしゃって、私が初めて役をもらってとにかく台詞を言うだけで必死だったのを見て「自分と役との共通点、つながることをいっぱい見つけてごらん」と言ってくださったんです。たとえば殺人者の役だったら、もちろんその経験はないので単純には共通点は無いかもしれませんが、なぜ殺人を犯したのかを想像してみると、愛されたかったからとか…きっといろいろあるでしょう。自分の中にも寂しさや、愛されたい、認められたいといった気持ちがあって、それが叶えられなかったら、もしかすると(殺人を)やってしまうかも。そんな風につなげていけるかもしれないと思いました。でも一番大事なのは台詞を覚えることです!

松山 舞台を成功させるためのルーティンのようなものがあれば教えてください。

山﨑 そのときどきで違いますね。私は以前劇団四季に居ましたが、そのころは「毎日ジャンボフランクを食べる」がルーティンでした。当時四季で一緒だった山口祐一郎さんは「毎日牛丼」でしたね。あと、私はそのころ「毎日カップスープを食べる」というのもありました。でも1カ月2カ月と公演が続くと、終わったあとはそれらの食べ物は見たくもなくなります(笑)。でも、決めたものを毎日食べるとうまくいく、というのはあったかもしれません。また、初日は必ずお赤飯というのも決めていました。コンビニのものでもいいのでお赤飯。もし無かったら探し回りましたよ。

松山 お赤飯になにかこだわりがあったのでしょうか。

山﨑 お祝と言えばお赤飯ですね。昔はなにかお祝い事があればおばあちゃんが作ってくれていました。

松山 劇団四季を経て現在の劇団NLTへ入られましたが、そのきっかけは何だったのでしょうか。

山﨑 劇団四季在団中に、木村有里さんの舞台を観たことがあったんです。そのとき「うわ~、なんだ、このおばさん。メチャ面白い!」「すごい人がいる!!」と思いました。その後、劇団四季を退団することになりますが、退団直後は、もう(演劇、舞台は)お腹いっぱい、という感じで、もうしない、やりたくないな、舞台に立つのはやめようと思ったんですね。でも、人生一度きりだし、もし可能なら、「あのすごい人」を見てみたい、一緒に…ということを思い始めて、それで劇団NLTに入りました。そのときはNLTがどんな作品をやっているのかは知らなかった。有里さんしか知らなかった。有里さんの舞台を最初に観てから10年くらいたっていたのに、自分に何も無くなったときに有里さんを思い出したんです。良かったなあと思っています。

松山 今回演られているマリンの役について聞かせてください。この役を演ることになったときのお気持ちはどうでしたか。

山﨑 いつか演りたいと思っていた役でした。大人に…50才を過ぎて…いつかできればいいなと思っていました。なので、役が自分に来たとき、動けなかった。「ほんと?私が??」というのが本当の気持ちでした。ザワザワ感ですね。人生の中で一番ザワザワ感を感じました。そして今回これでまた四国ツアーに行けることに…。その再演の話は電車の中で聞いたのですが、号泣したんですよ。また「マリンに会える。仲間に会える」という…。本当に嬉しかったですね。

松山 役に思い入れがあるのですね。

山﨑 はい。母のことを思い出すんですよね。18才で東京に出てきたのでずっと母とは離れているし、ケンカもすごくするんですが。子供がやりたいことと「娘には結婚して子供を産んでほしい」みたいな親の思いは違うでしょう。母を押し切って東京に出てきました。私は小さいころは(身体が)弱かったですし、母は今でも心配していると感じます。この年になっても食べ物などを送ってくれたり…。母の愛情はすごく感じますね。母に「ありがとう」と言わなきゃと…思いますね。

松山 マリンは、娘のシェルビーが糖尿病でありながら無理な出産をします。山﨑さんがマリンの立場ならシェルビーの決断に賛成しますか、反対しますか?

山﨑 シェルビーの決断はすごいことです。マリンは、自分が育てたシェルビーは「強い子」だと思っていると思います。病気だから普通に遊ばない…とかではなく、どんなことにも挑戦し、強く、いつもキラキラしている。そういう風に育てたと。だから、ずっとそうあってほしい、いつも楽しく生きてほしいと。シェルビーが今回の自分の決断が一番幸せだと言うのなら、自分は気が狂うほど辛いけど支えてあげたいと思う。自分の親もそういう考えだと思うし、皆さんの場合もそうだと思います。母とはケンカもするし「うるさいなあ」と思うこともあるのですが、きっと母親というのは一番に子どものことを思っているだろうと。そういうことが(舞台から観客に)届けられたらと思います。

松山 母親の愛情というものを再確認できました。

松山 この作品についておききします。映画もあるということですが舞台ならではの魅力はどんなところでしょうか。

山﨑 舞台では(映画では出てくる)すべての人が出てくるわけではありません。マリンの夫、シェルビーの夫、アネルの夫などは出てきません。そういった人たちが皆さんにどんな人に“見える”かは、私たちの芝居次第。皆さんが、全く説明もないところでどんな風にイマジネーションしてくれるか、それが舞台の面白さかと。感じていただける思いも人それぞれではないかと。あと、舞台では、台詞を言っていない人も皆見えるわけです。

松山 映画とはそこが違いますね。面白いですね。

山﨑 はい。そのときしゃべっていない人(役者さん)も是非見てください。心の動きなどを見るのも舞台の面白いところです。
 インタビュアーのお2人の年齢なら共感するのはシェルビーかもしれませんね。シェルビーになってみてください。

松山 舞台上では美容院で女性たちがずっと会話をしています。(役者さん同士で)お互いに意識されているポイントがあれば教えてください。

山﨑 今回の良いところは、皆、劇団の仲間ということですね。何年も付き合っている仲間です。「はじめまして」から始まる人ではない。美容院での友だちは、何もしなくても温かい返しがあり、心配してくれたり…。テンポなども今は気にしていません。そこにいるだけで不思議と皆がシェルビーの病気を心配し、マリンにも気遣って…という雰囲気です。これからしっかり稽古して台詞をちゃんとして、もっとそう見えるようにしたいです。ポイントとしてみてくださいね。しゃべってなくても、この人とは仲がいい、信頼し合っているなどが分かることがありますよね。そんな…皆家族のような仲間です。

松山 劇団の仲間同士の信頼ですね。

山﨑 そうです。言いたいことを言い合う仲でもあります。

松山 ご趣味について。

山﨑 ヨガをやっています。ご存じのように、木とか動物とか…ヨガは色々なポーズで有名ですが、ポーズよりもそのときの呼吸が大事です。ヨガはインドのサンスクリット語で「つながる」という意味があるんです。つながっていると楽しいでしょう。ヨガは、心と身体がつながる、大地とも、すべての生きとし生けるものともつながる。そういうものです。(インタビュアーの)お2人は声優さんを目指されているのですよね。緊張するときがあると思いますが、鎖骨の下をたたいてほぐすとドキドキが無くなりますよ。アナハタチャクラを開くというのですが、自分らしく、変な気持ちに負けないように、頑張れますよ。

松山 試してみます!

山﨑 本番前は緊張するよね。よく分かります。

松山 インストラクターの資格もお持ちとか。

山﨑 はい。「200時間」も「500時間」も持っています。「200時間」を持っている人は結構いますが「500時間」を持っている人は日本でも数少ないのですよ。お年寄りや妊婦さんを対象にしたりヨガも教えられる、すべての資格を持っています。追及していくと面白くてね。これもあれも知りたいと思ってこんな風になりました。両親もシニアヨガをしていますが、年をとってもできる運動であり、呼吸法であり、母も身体にいいと言っています。

松山 特技に三味線があるということもお聞きしました。

山﨑 これは、始めるのは遅くて、7年くらい前ですね。ある映画で三味線のシーンがあり、結局その映画は無くなりましたが、そのために習いました。でも三味線は難しいね~。

松山 はい、見ていて、そう思います。

山﨑 でも好きなんですよ。ビーンというあの音とか、いいなあと。

松山 テレビドラマやミュージカル、様々にご活躍ですが、表現方法で変えるのはどういうところですか?

山﨑 テレビは、舞台のように大きな表現はしませんね。でもここ(心)で感じることは一緒です。身体の動きが大きくなるかどうかだけで。でも舞台は空間が大きいから自然に動きも大きくなり、テレビは目の前のカメラが小さいから自然に動きは小さくなるだけで。

松山 マリン以外の5人のうちでやってみたい役はありますか?

山﨑 ここにいる(杉山美穂子さんを呼び寄せる)ウィーザーですね!映画だと大女優のシャーリー・マクレーンが演っている役。サリー・フィールド(マリン役)も大好きですが。いっぱい見てくださいね。

松山 この作品は6人の女性にスポットを当て、女性の芯の強さを描くものです。女性の強さはどんなところでしょうか。

山﨑 芯がとおっているということでしょうか。泣いてもいい、怒ってもいい、悲しんだり辛いと言ったりもする。でも芯が通っている、そんな人になりたいと思います。稽古では今から二幕に入るのですが、二幕はシェルビーが死んだあとの話です。やっぱり泣いてしまいます。でも悲しいだけじゃない、ただ悲しいというのはシェルビーに申し訳ないという気持ちにもなるんです。死にたくて死んだわけじゃないでしょう。いろんなことを考えますよ。原題は「Steel Magnolias」ですからね。鉄の女の話ですよ。全員が強い。子供が死んで…どうしよう、もう生きてはいけない、ではなく。そこを頑張っています。観ていただいて、この人たち強いな、愛情たっぷりだし感情表現も豊かだけども、やっぱり強いな、と思っていただけたらと。私もマリンもそう思っています。

最後に、鳴門の参加者も画面に登場し、挨拶

松山でも、別室で参加していた大勢の会員さんが画面に登場し、挨拶

インタビュー後には、制作の中山さんの案内で稽古場紹介(バックステージツアー)


E-mailでのお問い合わせは、         鳴門市民劇場ホームページ
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