ものがたり | 翻訳者より | プロデューサーより | キャスト | スタッフ | 上演予定 |
丘みつ子さんインタビュー | ロビー交流会 | 色紙 | 感想集 |
青春はこれからだ!!
未亡人たちの人生第二章
Story
アイダとルシールとドリス、未亡人の彼女たちは、それぞれの夫の生前からの仲良しであった。月に一度、アイダの家に集まってからひとしきりお茶を飲んでから、連れ立って夫の墓参りに出かげることを習慣にしている。だがそれぞれの思いはかなり違う。女であることをいまだに捨てたくないルシールは新しい恋人採しに夢中、亡き夫だけが心のよりどころのドリスは墓参りが唯一の生き甲斐で、アイダはこれからの人生これでいいのかな、と悩み始めている。若くもなく、老け込みたくもない彼女たちは微妙な年頃だ。
そんな彼女たちに小さな変化が訪れる。墓地で出会ったヤモメの肉屋サムの登場が三人の付き合いに大さなさざ波をたてるのだ。彼がアイダに近付くことをルシールは嫉妬から、ドリスは貞操観念から、許すことができず、二人は示し合わせてアイダとサムとの仲を引き裂こうとす乱そうと知らないアイダはなぜ急にサムが冷たくなったのか分からずに一人思い悩む。
彼らの旧い友人、セルマの何度目かの結婚式。セルマの花嫁付き添いを頼まれた三人は揃いの衣裳を着て結婚式に出かけることになった。この時サムがエスコートしたのはミルドレッドという派手な女。当惑する三人……やがて結婚式から帰ってきた彼女たちは酒の酔いも手伝って大騒ぎ。ダンスに喧嘩、そしてまた仲直り、思い出話に花が咲く。それぞれの心の秘密を打ち明ける内に夜が暮れていく……
翌朝、二日酔いの女たちがベッドから這い出してきた。そこにサムが訪ねてくる。ミルドレッドとのことを弁解しに、そしてあらためてアイダに交際を申し込みにやってきたのである。彼を受け入れることを決意するアイダ。しかしすべてはそれで大団円、とはいかないのだった……
2004年公演パンフレットより
面白いじやない!「幕場クラブ」
「セメタリー・クラブ」…直訳すると「墓場クラブ」である。このいわゆる縁起悪い言葉をタイトルにもってきた作者の勇ましさにまず惹かれた。意表をつかれた。興味ももった。新聞か雑誌謹の記事でこのタイトルを見つけたのは、確か1990年のことである。地方の小さな劇場で1987年に初演されてからブロードウェイに上がってくるまで実に3年を要したわけだ。最初はモンスターが一同に集まって墓場で大騒ぎでもする内容なのかと思っていた。
墓場で大騒ぎするのは、しかしモンスターではなくユダヤ人の未亡人たちである。早速当時ニューヨークにいた友人に評判を尋ねたところ、わざわざ読む必要ないんじゃないとにべもない返事。そこでこの芝居は私の中でお蔵入りとなったのである。観客の評判は非常に高く人気の出し物ではあった、これはその後もアメリカ中いたるところで再演を重ねていることからも分かる、が、どうやら感想家たちの評価が今一つだったらしい。ところがしぱらくしてこの脚本を手に入れるチャンスがあり、読んだところ、何よ、面白いじゃない!てなわけで、いそいそと翻訳したという次第。さあ、問題はそれからである。まもなく映画化されたこともあって、私としてはこの芝居の上演を強く望んでもいた。とにかくこんなに楽しくほろ苦く愛すべき作品なのだから。しかし、いくら私が宣伝しても上演したいというところが一向に現われなかったのだ。そしてまたこの芝居は長くお蔵入りを続けることになったのである。
配役がこの芝居の鍵である。だが一つの公演でカの拮抗する女優さん3人プラス魅力的な初老の男優さんを抱え込むことは容易ではない。しかもそれぞれが主演級であることは必須条件のようなものである。どの一人が欠けてもこの芝居は形にならない。長く誰も手をつけようとしなかったのはその条件をクリアできなかったからなのだ。その点、今回はその困難を乗り越え、素敵なキャスティングが組まれたなあ、と感じ入った。その上、演出家は実に軽妙洒脱な方だ。少し懐かしい匂いのするこの作品が、新しい息吹を吹き込まれるであろうことを確信している。旧友友との再会を果たすような気持ちで初日の舞台を心待ちにしている。
翻訳 丹野郁弓
2004年初演パンフレットより
新しい出会い
紹介があって、劇団民芸の翻訳家・演出家の丹野郁弓さんとお会いする機会に恵まれました。話は盛り上がり、丹野さんが翻訳してまだ舞台上演されていない台本を貸して戴きました。そのうちの1冊が「セメタリー倶楽部」です。一読して舞台への夢が広がり、早速企画に取りかかりました。「孫もいる未亡人」ここに女性の自由と解放を感じ、「墓参りクラブ」にカシマシイ女友達の同窓会を連想し、老いという現実に青春を見つけたいと思いました。そして、死・墓場を暗く感じさせるのではなく、天国をイメージしました。
三人三様の個性的な未亡人。似たような性格よりむしろ性格が違ったほうがいつまでも友達でいられるということもあり、キャスティングには大いに悩みましたが、幸いに素敵な出演者に恵まれ思いが叶ったという気持ちです。
思慮深くやさしいアイダ役の丘さん、お洒給でちょっと気の強いルシール役の新藤さん、真面目で一途なドリス役の汀さん。三人は稽古初日から意気もピッタリ。調突な肉屋サム役の仲本さん。それに竹邑さんの演出で天使が登場。アイダの部屋から墓場のシーンヘの転換に白燕尾服の天使が登場して観客を和ませてくれることでしょう。舞台装置はいつも素敵な夢を与えてくれる竹邑類さんと、美術プランナー・斎藤裕樹さん。今回も素敵な舞台が待っています。
素晴らしい出演者・スタッフに恵まれながら、準備不足で5回だけの初演になってしまった事を残念に思いますが、この公演が再演に繋がればと思っています。
二ール・サイモン作品を上演し続けてきたシルバーライニングにとって「私生活」に続き、この「セメタリー倶楽部」が新しい出会いとしてシルバーライニングの代表作の一つとなることを期待しております。
ご来場の皆様、「セメタリー倶楽部」如何でしたでしょうか。これからも皆様に楽しんで戴ける舞台を創って行きたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。
プロデューサー 堀野三郎
2004年初演パンフレットより
アイダ | ルシール | ドリス | サム |
丘みつ子 | 新藤恵美 | 汀 夏子 | 小野寺昭 |
バーバラ | 天使 |
那智ゆかり | 汐夏ゆりさ |
演出=竹邑 類
作=アイヴァン・メンチェル 翻訳=丹野郁弓
音楽=吉田さとる 美術=齋藤浩樹 衣裳=倉岡智一 照明=柏倉淳一 音響=松山典弘
ムービングライト:片桐朋郎 ヘアメイク=篠田 薫 舞台監督=佐藤 博 演出助手=目黒多恵子
演出部=野崎貴嗣/四方智子/鈴木康子/北島穣治 照明操作=鈴木洋次/田留文恵/大関直也
音響操作=返町吉保 衣裳アシスタント=斉藤辰之 美術アシスタント=加藤藍子
大道具製作=東宝舞台(株) 小道具=高津映画美術装飾(株)
衣裳製作=(株)アミュー/東京衣裳(株) 運搬=(有)伊東運輸
写真=居坂和典 宣伝美術=松山信一
製作=堀野三郎/臼田典生
企画製作=シルバーライニング
鳴門市文化会館 1月23日(水) 夜6:30〜
上演時間 2時間30分(1幕70分休憩15分2幕65分)
※約250台の無料駐車場あり |
文化センター 1月21日(月) 夜6:30〜 1月22日(火) 昼1:30〜 |
阿南市市民会館 1月20日(日) 夜6:30〜 |
E-mailでのお問い合わせは 鳴門市民劇場ホームページ nrt-geki@mc.pikara.ne.jp まで。