ホーム > これまでの例会 > セメタリー倶楽部 > インタビュー

丘みつ子さんに演劇直前インタビュー

楽屋訪問28

シルバーライニング・プロデュース公演「セメタリー倶楽部」鳴門例会(2008年1月23日)で“アイダ”役をされる丘みつ子さんを公演前に訪ね鳴門市民劇場がインタビューしました。

丘みつ子さん
鳴門市民劇場(以下鳴門と略)
今日はお忙しいところどうもありがとうございます。東京で公演された後に阿南・徳島・そして鳴門に来られた訳ですが、各地の反応はいかがでしたでしょうか?
丘(敬称略)
皆さんからの拍手が多くて嬉しく思います。それはそれは、ウケるところもボンボンあり、たくさん笑っていただきまして、反応はよかったですね。
鳴門
特にカーテンコールに感心したのですが。
皆さん言われます。カーテンがひけたらそれで終わりというのではなくて、生の声というか私達の役柄以外の声も聞いてもらい、より近くに感じてほしいと思いまして。そういうことがある方が、芝居以外の背景も感じていただけるんじゃないでしょうか。
鳴門
今日はロビー交流会もありますしね。
とちらないようにしなきゃ。(笑)
鳴門
作品について調べさせてもらったんですが。あまり舞台には立たれていらっしゃらないですね。
27才の時の蜷川幸雄さんの舞台が初めてでした。それからは数えるくらいです
鳴門
今回の舞台はお久しぶりだったんですね。このお仕事を受ける時はどんな気持ちでしたか。
私のお友達でこのような境遇の方がいらっしゃるんですよ。未亡人同士で霊園にいきがてら1泊旅行に行くんです。本当に『がてら』なんでよ。このお話と同じように。だからこのお話も特別なことではないんですよ。命日に一緒になって行きましょうよというのは。もちろんその人達はこのお話のように喧嘩はしないですけどね。未亡人同士で楽しんでますよ。
鳴門
ちょうど実年齢のお話ですね。
ええ、でも今60才と言っても若いですよね。現実に再婚なさる方もいらっしゃるし、このお芝居も三人三様ですよね。
鳴門
そうですね。アイダも結婚しますし。それとひとつ教えて欲しいんですがドリスの最期、あれは…。
癌だったんです。伏線があるんですよ。第一幕目の『最近うずくのよ、塊があってうずくのよ』『最近やせたのよ』と、いうところとか、『手がしびれる』とかところどころに。幸せな亡くなり方なんじゃないでしょうか。友達のお家で亡くなるというのは。
鳴門
丘さんの役も3人の中で一番数奇な人生ですよね。
でも今は、ご主人がいない人、奥さんがいない人が助け合いながら生きるのは普通なことですしね。皆60才前後ですけど、65才の方が60才、60才の方が55才の気分にと、舞台に上がると若くなっちゃうのかもしれないですね。このお芝居を観て皆様が少しでも若い気分になっていただければと思います。
鳴門
若さが伝染していくというのでしょうか。
そうなんです。
鳴門
三人三様ですが、どの役柄が丘さんに一番近いと思われますか。
私はどちらかというと、アイダですね。確信犯かもしれないくらい。
鳴門
では、今回の役柄は本質を見抜いて確信犯的なキャストなんでしょうか。
さあ、どうかしら。それは判らないですね。汀さんだって新藤さんだって決してああいう方ではないですからね。私はアイダの立場にあったら1人で生きるんじゃなくて誰かに傍にいて欲しいですね。そしてこういう考え方もあるよって言ってくれることに耳を傾けられる人間でありたいと思います。どうしても1人でいると私自身の考え方でずっと世の中を生きてしまうじゃないですか。誰にも相談できずにね。だから誰か、ご亭主でもいれば、おまえそれば違うんじゃないかと言ってくれるじゃないですか。そういう人が居た方がいいんじゃないかと思いますね。喧嘩になるかもしれないけれど、間違っていたのかもしれないと気付かせてくれる誰かが、いいアドバイスをしてくれる誰かが、傍にいた方がいいですね。人間は集団動物だから1人では生きていけないですから、誰かが必要だと思いますね。やはり3人の中ではアイダが一番近いと思います。
鳴門
工夫されているところはありますか。
工夫しようと思ってね、毎日毎日少しずつやってはいるんですが、それを表に出しすぎるとリズムが崩れて立ち往生してしまうんです。だから、ここは崩さないというところを持ちながら自分の中で消化をしながら崩していくというのが、毎日考えていることですね。極端に作りすぎるとおかしくなっちゃいますから。
鳴門
極端に作るといえばルシールなんかは難しそうですね。
やはり3人が違わないとお話にならないからね。
鳴門
キャラが際立ってないと、ということですかね。
そうなんです。だからルシールはああいう服を着たりして3人でプラスマイナスゼロになるんです。でも、結果的には、『あれは装っていたのよ、あの人が浮気をしていたように私も同じように振舞っていたけど、それが精一杯なのよ』っていう独白があってあの人がみえてくる。だから私(アイダ)が一番幸せなんですよ。60才過ぎて再婚して。しかもお金持ちと。(笑)
 
鳴門
ところで、この世界入ったきっかけは何ですか。
CMモデルをしていたんです。
鳴門
学生の時ですか。
高校卒業して早いうちに。CMモデルをしていた時に、たまたま日活の方が見ていらっしゃって、あの子いいねってことで日活に。19才の頃でした。
鳴門
よく映画にでられてましたよね。
ええ。ちょこちょこ、ちょこちょこと、よくでました。
鳴門
デビューされた頃をよく覚えています。
そうですか。
鳴門
と、いうのも十朱幸代さんによく似た人がでてきたなと皆で言ってたんですよ。だからよく憶えているんです
よく言われました。もう40年前のことですけど。
鳴門
テレビと舞台とは違うものですか。
やはり舞台は生ですからね。それに1回で終わりますからね。後にも先にもこの時間だけの一本勝負ですからね。
鳴門
ビデオなら映像で残ったりしますけど。舞台はそこだけですものね。
そこがおもしろいのかもしれないですね。2時間半から3時間の間にすばらしく燃焼するっていうのは、そうそうないじゃないですか。しかもお客様を目の前にして。
鳴門
すごい緊張を強いられますよね。息抜きとかはどうされているんですか
息抜きが出来ない人は、なかな難しいんじゃないですかね。
鳴門
走られたりしているんですか
マラソンはできないんです。足を挫いたら大変ですからね。
鳴門
食べるものとかにこだわりはありますか。
食べるものにはかなり気を使っています。2年に1回、自分の家で味噌作り30キロをしています。塩も能登の塩を使って。お水も水道水じゃなくて涌き水を汲んできて。それこそ30年くらい前から。
鳴門
いわゆるシンプルリッチという生活ですね。
ええ。だから普段は夜の8時くらいに私は寝ます。
鳴門
でも今日はこれからお舞台がありますね。
だから、生活リズムがガタガタになっちゃって。舞台が終わってお風呂入ってたりしてたら12時になっちゃうから。そんなの家じゃ有り得ないですね。
鳴門
普段の生活はどんなサイクルなんですか。
だいたい夜8時にはお布団に入ってます。起きるのは夏は4時30分、冬は6時前。夜はご飯を極力食べないで、お豆腐1丁とか葉っぱのものとかにしてるんです。1日2食半くらい。そのかわりお昼はすごくいっぱい食べてますよ。
鳴門
それは昔からですか。
ええ。スポーツをしてる時から。
鳴門
スポーツとはトライアスロンですか。
ええ。トライアスロンも夜早かったですしね。食べるものはたんぱく質の良質なものとか、豆腐やヨーグルト蜂蜜とか、お米も胚芽米。とにかく質の良いものを選んで食べてます。食べることにはいい加減にしない、きちんとしたものを食べようとしています。もちろんロケ弁も外食もありますからできる範囲でですけどね。
 
鳴門
丘さんと言えば陶芸もされてますね。どちらで作られているんですか
箱根なんです。自宅が箱根なんです。最初18年くらい前に穴窯を造って、翌年にもうひとつ鉄砲窯を造って、他にも4つくらい窯を造ったんです。でも今は専門的に焼いているのは18年前の最初に造った穴窯ですね。昔は年間5〜6回焼いていたんですが、今は3回くらいですね。
鳴門
大変ですね。火はどのくらいいれるんですか。
1週間くらいです。穴窯なので、徐々に徐々に温度を上げていくので、そのくらいかかります。
鳴門
土はどちらからですか。
信楽です。四日市の信楽から取り寄せています。
鳴門
どのようなものを焼かれるんですか。
今は明り取りですね。動物の明り取り。犬や猫とかはもちろんですが、ラクダやカバ・サイやカメレオン等の明り取りをしています。私はカメレオンがすごく好きなんです。こう手で彫っていくんです。ただ穴を開けるんじゃなくてちゃんと計算して。模様を全部書いて、おもしろい開け方をしたりしてね。
鳴門
大きい明り取りなんですか。
そうね。大きいいのはこれくらがカバ(両腕を広げて)。犬の大きなのもこれくらい(両腕をもっと大きく広げて)
鳴門
一度に何個くらい焼けるんですか。
こればっかりは何個って言えないの。こんな小さいのも1個なので。
鳴門
年に3回といわれましたが、3回もすごいですね。
ええ、そうなんですよ。4月に東京で個展があるので、3月に1回焚くんですね。また6月にも焚きたいなと思っています。10月も大きな個展がありますし。だいたい1回作品を造るのに2ヶ月くらいかかるんですよ。
 
鳴門
何かやってみたいお芝居はありますか
どんな役柄がくるかはわからないので、こればっかりは何とも。お芝居は1年半くらい前に声がかかるじゃないですか。テレビは来週やりませんかって感じですけどね。
鳴門
練習も大変ですよね。今回もセリフが多いですよね。
そうなんですよ。よくしゃべっていますからね。イヤになっちゃう(といいながら、台本をみせてくれる)
鳴門
いろいろと書き込まれてますね。それにすごいセリフの量ですね。
大変ですよ。
鳴門
今晩楽しみにしております。鳴門市民劇場の会員に向けて一言お願いします。
月並みかもしれませんが、観てもらって何かを感じていただけたら嬉しいです。そしてお家に帰ってお茶を飲みながら、こうだったわね、ああだったわねってお話していただけるような余韻を1人でも多くの方に感じてほしいと思っております。
丘みつ子さんとインタビューア

E-mailでのお問い合わせは              鳴門市民劇場ホームページ
nrt-geki@mc.pikara.ne.jp
まで。