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「グレイクリスマス」

鳴門市民劇場感想集

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鳴門例会カーテンコール

大きな舞台装置の中でライトに浮かび上がる5人の人物、階段中段から突然「Merry X mas!!」大声での英語会話の幕明けは印象的だった、なにかあるな!
  終戦直後大きく変わるGHQ占領時代、くるくる変る日本の世相と時代の流れの中でおびえたり、頭を切替えられない元伯爵家・五條一族の面々と女性達。
  ピープルの為の平和国家作りに情熱を注ぐ、民生局日系アメリカ人将校ジョージ・イトウと得体の知れない権藤達が徐々に絡み合いながら伯爵家の夫々は時代に対応して行く。
  女性軍は強い。母屋が駐留軍のダンスサロンとされたのを機に妻華子と交際上手の慶子はホステスとなって一族を支える。一方で華子は日本の未来にかける純粋さにひかれ目醒めて行く。
  毎年伯爵家の離れで迎えるクリスマス……時代は移り、やがて朝鮮戦争、駐留軍撤退、軍需景気と戦犯釈放で自信を取り戻す旧戦犯たち、その中でジョージの戦死と贈ったオルゴール返送に泣く華子!
  伯爵家の離れ舞台装置は大きかったがあれだけの狭い舞台とたった2時間半で、激動の5年間の時代の流れを表現するのは大変だったろうと思うと同時に、終わっての感想は幼い頃の戦争体験(空襲警報サイレン、防空壕、緊張生活……)の走馬灯のような、夢物語を見たような感覚だった。
  雪の降らない、美しくないクリスマス!!明日に幸あれ!!

グレイクリスマスという題名から暗い内容をイメージしていました。たしかに明るい内容ではありませんでしたが、今まで戦後のお話は一般市民の大変さを聴くことが殆どでしたので、今回のように上流階級の人々の生活という、いつもと違う角度から戦後を見ることが出来たのは興味深かったです。
  民主主義や憲法の話はお子さんには難しい内容だったかなと思います。もう少し噛み砕いた説明(例え)があったらわかりやすかったかもしれません

主演の三田和代さんの熱演に拍手を贈ります。
  戦後の我が国のあり方を問う重いテーマが、どこまで戯曲化できたか。ストーリーの展開に合わせたとテーマの掘り下げ方に少し物足りなさを感じました。

素晴らしかった、すごくよかったです。全然時間を感じないほど。
  三田和代さんを大好きに。仕事とはいえ、ほんとうにすごい熱演。人種差別のくだり……嫌なことだが、現実で感じるところが多かった。とてもたのしめました。

グレイクリスマスは流れるようなタッチでしたが、いくつもの重いテーマが盛り込まれていて、忘れていたけれど忘れてはいけない過去を示されたようでした。
  終わったときはちょっと ふ〜って感じでした。

1995年に観たときと比べて、自分自身が変わったのか、演出・役者さんなどが異なるせいなのか、ずいぶん印象が違いました。
  いろいろな切り口の見方ができる作品だと思いましたが、最も悲しく心に残ったのはジョージ・イトウの自己矛盾・葛藤でした。戦争はありとあらゆる人を苦しめたけれど、「自分は何人?」ということが問われ、究極の選択を迫られた日系人の痛みというものは、「まるで日本人」の私たちにとっては想像を超えるものです。でも、それにしても……。非常時にあっては、右往左往するおとこたちを前にして、いかに女性が変化に対応し強くたくましく生きられるか!も強調されていて、そこはウンウンと(笑)三田さんは「大人のラブストーリーよ」とおっしゃって、確かにそういう引き出しも可でしたが、ちょっとその部分は、稚拙だったかな〜と思いました。

今回の例会も当番だったのと新会員を一名迎えたので一番前の席でみることができて華子役の三田和代さんの美しい顔、目の動きまで見え、ステキなダンスをもっと見せてほしかった! ウォルター役の斎藤淳さん体つき、顔も外人の方かしらと思うほどでした。
  後かたづけも多くの役者さんが手伝ってくださって自己紹介をしていただき今までになかった出来事だったのでとても良かったです。

戦後の話で少し難しかったです。
  日頃、日本人としての考え方や物の見方とかなかったのが、このお芝居をみて日系人や朝鮮人からの日本への視点が分かり、とても勉強になりました。

白い雪は降り積もると周りのものを銀世界に包み込んでしまう。 「グレイクリスマス」を観劇しながら敗戦当時を思い出していました。 町には、進駐軍のジープが走り、盛り場では女の人の売買があり、背の高い兵士と女達の間には悲しい恋の物語がありました。世の中、住むところ、食べるもの、着るもの何もない所から暗い苦しい時代を越えて今の平和があるのです。いつの時代にも戦争は、あってはならない事です。日米安保条約・日本国憲法が新しくできて戦勝国から押し付けられ基地貸与協定が、今の沖縄普天間基地問題として60余年の歳月を経た今揺れているのでしょうか?……日米間の目に見えない火花もこれからどうなっていくのでしょうか。移りかわりはいつの時代も同じだということ。
  伯爵家のような奥さまがたも生活のためにホステスとなり時代の波に翻弄される雪の降らない美しくないクリスマスの夜の出来事でした。
  ひときわ輝いていた三田和代さん年齢を感じさせない素晴らしいスタイル・演技・さすがと感心した夜でした。

憲法を実のあるものにするには不断の努力が必要ということを改めて感じた。

鳴門例会カーテンコール

戦後を知らない時代を生きているので重〜い内容の考えさせられる芝居でした。

戦後の話は少しは聞いていたが、なかなかこの部分の話は聞く機会がなかった。アメリカには今でも差別が残っており、その当時はなおさらで、ジョージの言う「デモクラシーは本物ではない」というのは正しいと思った。

昔、観ていたはずなのに、ストーリーから何もかも、全て忘れ果てていました。出だしの英語は、会場が広いせいか十分聴きとれませんでした。しかし、様々な試練があるものの5年後の皆さんの元気な姿にホッとしました。ヒロイン華子にとっては夢のような5年間だったのでしょうね。
  今も民族紛争や人種差別の壁、果ては宗教戦争も連綿と続いている現実に愕然とします。
  以前、この題名で鳴門で上演されたのは15年前なのですね。理想論(?)と現実との狭間を改めて実感した劇でした。

グレイクリスマスを観た時に真っ先に思い出したのは女性達の洋服でした。そして高峰三枝子の懐かしのブルースでした。戦後、テレビもない時代、学生でした。映画をよくみました。ダンスシーン、ロングドレスとあの頃の思い出が走馬灯の様に頭を巡りました。
  なつかしい青春時代を想い出す事ができて、ちょっぴり嬉しかったです。

戦後 進駐軍が日本にやって来て、伯爵家は普通の平民に……働いて生活をしなければいけない。男性は自殺をはかり、ヒロポン中毒になったり、でも女性はアメリカの軍人相手にクラブのホステスになり足もとを見つめ、前を向いて歩こうとしていき、戦争によって人生は変わり、価値観も変わりとても考えさせられた。
  私たちが生まれた年の前後の出来事だが現実に目の前につきつけられた感じがした。

敗戦後のクリスマス劇の物語での芝居で上手に演技していたが、欲を言えば最初から最終まで舞台の変化がない 一つもなくさびしい良い装置がどこともあるが……目先を変えれば尚劇場が盛り上がって迫力が出てくると思います。

学生時代、歴史で学んだり映画やテレビ等でしか知らない戦後の話。又。私には想像できない伯爵家の生活の話でした。
  時代の変遷についていけない伯爵が哀れに思いました。戦犯裁判では映画「私は貝になりたい」、日系二世軍人ジョージ・イトウでは小説「二つの祖国」(山崎豊子著)を思い出しつらかったです。
  普段気にもしていない「日本国憲法」「デモクラシー」を考えさせられました。今の日本は平和ボケしていますね。

同じ場面で(シーンで?)複雑なお話を多くの登場人物がからみあい 見事な出来上がりだァ〜と感心しました。
  照明とおちついたピアノの音色が素的でした。

少女時代に敗戦を迎え、その頃がよみがえった。
  手のひらを返した様にアメリカに対する接し方、敵国だったことはどこへやら、次第に自由を吸収していった頃、女学生の1クラスある朝のエピソード、三つ編みの髪を全員 ばっさり切って登校し全校生を驚かせた。終戦後の一こまを思い出した。

年令によって受け取り方がぐっと違うお芝居でした。戦後を知っている者にはあの頃の思い出をよみがえらせ、若い方にもこんな日本の生活があったのかと知るよい内容だったと思います。セリフもはっきり聞こえ、ぐっと胸にせまるものがありました。
  今回は欠席者なしの嬉しい例会でした。
  三田和代さんがほっそりされたように思いました。すごい熱演に拍手々々です。

鳴門例会当時の「グレイクリスマス」1995年民藝 奈良岡朋子さんの出演で重たいテーマで、舞台全体がグレイな感じだったことを思い出す。今回は三田和代さんをメーンに終戦後六年間の伯爵五條家の離れを舞台に推移する時の流れを家族や国家の事情を散りばめて表現されていく。
  ジョージ・イトウの語るアメリカにおける日本人差別・日本国憲法制定の理念などが現時点の改正機運にさかのぼり、強く印象的であった。

敗戦の後の伯爵の位をなくして生活をしていくには働かなくてはいけない。それで華子はホステスになって一家を支える事になる。戦後のいろんな出来事がよくわかり三田和代さんのセリフの長い事感心しました。

ストーリーはよく解るのであるが場面のつなぎや、それぞれの役割がよく理解できなかった。音声の調整がうまくいっていない部分があり、聞こえにくいところや過度に大きな声があり、聴きづらかった。

友人を紹介したとのことで前列から2列目のB席で観劇をし、とても皆さんの迫力が伝わってきて大変よかったです。
  戦後の民主主義と人間の尊厳を考えさせられました。これからも平和と平等でありたいと思います。

鳴門例会カーテンコール
鳴門例会カーテンコール写真は劇団の許可を得て鳴門市民劇場Webページ作成委員が撮影しています。

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