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グレイクリスマス

グレイクリスマスの会

2010年1月27日(水)鳴門市民劇場例会

あらすじ 占領と民主主義のはざまに キャスト スタッフ 上演予定
石田圭祐さんインタビュー 感想集 色紙

この憲法が国民に保障する
自由及び権利は、
国民の不断の努力によって、
これを保持しなければならない

「グレイクリスマス」ちらし表

雪は、ゴミ溜も焼け跡も、
汚いものをみんな隠してくれます。
だから雪の降らない、美しくないクリスマスを
グレイクリスと言います。


新憲法が公布され、62年がたった。あなたはどんな憲法を望むのか。

舞台写真1

あらすじ

舞台写真

  1945年、敗戦。この年のクリスマスから物語は始まる。

  伯爵五條紀明は母屋をGHQに接収され、一家は離れに移ることになった。爵位を失っても殿様気分が抜けない紀明。進駐軍の影におびえる第の紀孝。自虐的な行為をくりかえす長兄の紘一と戦犯となった婚約者を案ずる娘雅子。召使たちも敗戦を認めようとしない。実業家の三橋や得体の知れない権堂らが加わり、かじを失って右往左往する支配階級の姿が群像となって浮かびあがってくる。

  後妻の華子は義妹慶子とともに進駐軍将校のサロン化した五條邸のホステスになって一家を支えることを決意する。

  やがて日系アメリカ人将校のジョージ・イトウがあらわれる。彼は民政局の方針に強い共感を覚え、日本をピープルのための国家にと熱く語りはじめる。華子はそんなショージに徐々にひかれていく。しかし、民政局と対立する情報局の意向が強く反影することになり、ジョージはGHQ内部抗争のはて、ある決意をする。彼に心をよせていた華子は思いをこめてオルゴールを贈る━━

  敗戦から激動の5年間を照射させ、民主主義、人間の尊厳、日本国憲法の精神を問う。

舞台写真
公演ちらしより

占領と民主主義のはざまに

斎藤 憐

  『グレイクリスマス』の初演は1984年だ。

  その年2月、国会は「防衛費のGNP1%枠」をめぐって紛糾していた。3月には、逗子市長が池子爆薬庫跡地へのアメリカ軍住宅の建設を受け入れると表明、市民に反対の声が高まっていた。

  「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」という憲法を持った僕たちの国に、なぜ軍隊があるのか。どうして、日本はアメリカの言いなりに、朝鮮戦争やベトナム戦争に荷担しているのか。そんな疑問が湧いた。

  しかし、日本国憲法が施行されたのは僕が7歳の時だから、どんな人たちが作ったのか知りもしなかった。それで遅ればせながら、「日本国憲法」を短期間で作ったGHQの記録を読みまくった。

  その一方、日本政府が作った憲法草案(松本試案)では、「天皇が統治権を総攬するという大日本帝国憲法の基本原則は変更しないこと」が記されていたことも知った。おそらく日本政府が「自主憲法」を作ったとすれば、婦人参政権も労働三権もなく、財閥解体だって行われなかったろうと考えた。

  自主憲法論議が盛んになっている今、もう一度62年前の日米関係を見直してみる必要があるだろう。

  今回「グレイクリスマスの会」という演劇人の有志の方々が集まって上演してくださる。

  こんな嬉しいことはない。

公演ちらしより

キャスト

児玉泰次 三田和代 森 一 細貝光司 若井なおみ 米倉紀之子
五條紀明
伯爵
五條華子
その妻
五條紀孝
その弟
五條紘一
その息子
五條雅子
その娘
五條慶子
紀孝の妻
児玉泰次
俳優座
三田和代
(株)矢島聰子事務所
森 一
俳優座
細貝光司
文学座
若井なおみ
俳優座
米倉紀之子
 
小笠原良知 石田圭祐 斉藤 淳 清水明彦 藤川三郎 藤側宏大
三橋
華子の兄
ジョージ・イトウ
進駐軍教授
ウォルター
進駐軍兵士
権堂 平井 藤島
小笠原良知
俳優座
石田圭祐
文学座
斉藤 淳
俳優座
清水明彦
文学座
藤川三郎
文学座
藤側宏大
文学座
 
長浜奈津子 藤崎あかね 神山 寛 齋藤隆介 小田伸康 野々山貴之
ヨシ
女中頭
ユキ
女中
稲置 下山 深田 下僕
長浜奈津子
俳優座
藤崎あかね
文学座
神山 寛
俳優座
齋藤隆介
俳優座
小田伸康
俳優座
野々山貴之
俳優座

スタッフ

作:齋藤 憐  演出:高瀬久男

美術:島 次郎  照明:森脇清治  音楽:川崎絵都夫  効果:田村 悳 衣裳:前田文子
振付:新海絵理子  演出助手:長田加奈子・福原圭一  舞台監督:井上 卓  制作:山崎菊雄・片山義夫  デザイン:及部克人・海野温子


上演予定

 鳴門市文化会館

 2010年1月27日(水) 夜6:30〜

 上演時間 1幕 1時間25分 休憩15分 2幕 1時間 合計2時間40分

 ※約250台の無料駐車場あり

 あわぎんホール
(徳島県郷土文化会館)

1月28日(木) 夜6:30〜

1月29日(金) 昼1:30〜

 阿南市市民会館

1月31日(日) 夜6:30〜


E-mailでのお問い合わせは        鳴門市民劇場ホームページ
nrt-geki@mc.pikara.ne.jp
まで。