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族譜

青年劇場

2011年5月26日(木)鳴門市民劇場例会

あらすじ 国家とはなにか 梶山季之 キャスト スタッフ 上演予定
中谷源さんインタビュー 色紙 感想集

「族譜」パンフレット表紙

あらすじ

  昭和15年、朝鮮京畿道水原郡。日本政府による“創氏改名”政策の任にあたっている日本人青年・谷六郎は、改名を拒んでいる地主・薛鎮永(ソルヂニョン)の説得を命じられ、彼の邸宅へ赴く。

  薛は、日本軍に莫大な量の米を献納する親日家であったが、谷の説得には一向に応じない。薛は娘・玉順(オクスン)に、700年にわたって受け継がれてきたという“族譜”を持ってこさせ、「一族の当主として、先祖代々受け継がれてきた名前を変えるわけにはいかない。」と力強く語る。谷は、“族譜”の持つ歴史の重みに圧倒されつつも、何とか改名に応じるよう説得を重ねる。

  やがて薛の身辺では、日本政府による様々な圧力がかかり始める…。

※族譜…韓国朝鮮で一族の代々の当主が、家系図とともに、それぞれの時代のできごとを書き残し子々孫々に伝えるもの。

第92回公演パンフレットより

舞台写真1

国家とは何か

ジェームス三木
ジェームス三木さん

  日清、日露戦争に勝った日本は、朝鮮を保護する名目で支配下に置き、併合して日本の領士にした。朝鮮人はみな日本人にされた。

  太平洋戦争に勝ったアメリカは、日本を保護する名目で支配下に置き、極東の防波堤として米軍基地を各地につくった。さすがに日米併合はできなかったが、もっと巧妙な手段で、日本人はアメリカ人にされつつあるのだ。

  行儀のよかった日本人が、歩きながらホットドッグを食っている。千年以上もタテ書きであった日本語が、公文書もメールも、ヨコ書きに一変した。街を歩けば喫茶店もバーも企業名も車の車種もみな英語である。幼児のころから英語教育に熱中し、国語力の衰退は目を覆わんばかりだ。

  湾岸戦争の戦費百億ドル負担、イラクヘの派兵、米軍基地の移転費負担、軍隊を持たないはずの日本が、日米合同軍事演習をやっている。それを合法化するために改憲をもくろむ。失敗つづきの衛星打ち上げも、軍事目的であることが明らかになった。すべてはアメリカの世界戦略の片棒担ぎである。

  更にいえば裁判の陪審員制度、意図不明の道州制と、アメリカのいいなりで、首相になりたい政治家は、アメリカ詣でをしてゴマをする。日本人は無邪気なのか鈍感なのか。寄らば大樹の陰と思っているのか。

  ご覧に入れる芝居のテーマは『国家とは何か』である。思い切り想像力をふくらませて戴きたい。

公演ちらしより

舞台写真1

梶山季之(かじやまとしゆき)

1930〜1975 梶山季之さん

朝鮮京城(現・ソウル)生まれ。小説家、ルポライター。産業スパイ、大衆小説等で流行作家となる。一方で、出生の地・朝鮮を舞台に「李朝残影」(直木賞候補)等の朝鮮小説を書き、晩年は週刊誌等の投稿を代筆、長篇小説『積乱雲』に取り組むが取材先の香港にて急死。亨年45歳。代表作に『黒の試走車』『赤いダイヤ』『李朝残影』他多数。

公演ちらしより

舞台写真1

キャスト

吉村直 青木力弥 佐藤尚子 葛西和雄
谷六郎 薛鎮永
(ソルヂニョン)
薛玉順
(ソルオクスン)
金北萬
(キムプンマン)
金田北萬
吉村直 青木力弥 佐藤尚子 葛西和雄
       
船津基 上甲まち子 武智香織 岡本有紀
平田課長 李慶淑
(イキョンス)
薛明姫
(ソルミョンヒ)
薛明花
(ソルミョンファ)
船津基 上甲まち子 武智香織 岡本有紀
       
八代名菜子 杉本光弘 中谷源 広戸聡
薛承英
(ソルスンヨン)
憲兵軍曹 憲兵伍長 憲兵上等兵
八代名菜子 杉本光弘 中谷源 広戸聡

スタッフ

原作:梶山季之  脚本・演出:ジェームス三木

美術:石井強司  照明:横田元一郎  音楽:飯島優  音響効果:菊池弘二
衣裳:宮岡増枝  舞踊指導:白洪天  舞台監督:荒宏哉

製作:福島明夫  製作助手:大屋寿朗・川田結子


上演予定

 鳴門市文化会館

 2011年5月26日(木) 夜6:30〜

 上演時間 2時間15分 (休憩15分を含む)

 ※約250台の無料駐車場あり

 あわぎんホール

 5月24日(火) 夜6:30〜

 5月25日(水) 昼1:30〜

  

  


E-mailでのお問い合わせは        鳴門市民劇場ホームページ
nrt-geki@mc.pikara.ne.jp
まで。