あらすじ | 国家とはなにか | 梶山季之 | キャスト | スタッフ | 上演予定 |
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あらすじ
昭和15年、朝鮮京畿道水原郡。日本政府による“創氏改名”政策の任にあたっている日本人青年・谷六郎は、改名を拒んでいる地主・薛鎮永(ソルヂニョン)の説得を命じられ、彼の邸宅へ赴く。
薛は、日本軍に莫大な量の米を献納する親日家であったが、谷の説得には一向に応じない。薛は娘・玉順(オクスン)に、700年にわたって受け継がれてきたという“族譜”を持ってこさせ、「一族の当主として、先祖代々受け継がれてきた名前を変えるわけにはいかない。」と力強く語る。谷は、“族譜”の持つ歴史の重みに圧倒されつつも、何とか改名に応じるよう説得を重ねる。
やがて薛の身辺では、日本政府による様々な圧力がかかり始める…。
※族譜…韓国朝鮮で一族の代々の当主が、家系図とともに、それぞれの時代のできごとを書き残し子々孫々に伝えるもの。
第92回公演パンフレットより
国家とは何か
ジェームス三木日清、日露戦争に勝った日本は、朝鮮を保護する名目で支配下に置き、併合して日本の領士にした。朝鮮人はみな日本人にされた。
太平洋戦争に勝ったアメリカは、日本を保護する名目で支配下に置き、極東の防波堤として米軍基地を各地につくった。さすがに日米併合はできなかったが、もっと巧妙な手段で、日本人はアメリカ人にされつつあるのだ。
行儀のよかった日本人が、歩きながらホットドッグを食っている。千年以上もタテ書きであった日本語が、公文書もメールも、ヨコ書きに一変した。街を歩けば喫茶店もバーも企業名も車の車種もみな英語である。幼児のころから英語教育に熱中し、国語力の衰退は目を覆わんばかりだ。
湾岸戦争の戦費百億ドル負担、イラクヘの派兵、米軍基地の移転費負担、軍隊を持たないはずの日本が、日米合同軍事演習をやっている。それを合法化するために改憲をもくろむ。失敗つづきの衛星打ち上げも、軍事目的であることが明らかになった。すべてはアメリカの世界戦略の片棒担ぎである。
更にいえば裁判の陪審員制度、意図不明の道州制と、アメリカのいいなりで、首相になりたい政治家は、アメリカ詣でをしてゴマをする。日本人は無邪気なのか鈍感なのか。寄らば大樹の陰と思っているのか。
ご覧に入れる芝居のテーマは『国家とは何か』である。思い切り想像力をふくらませて戴きたい。
公演ちらしより
梶山季之(かじやまとしゆき)
1930〜1975朝鮮京城(現・ソウル)生まれ。小説家、ルポライター。産業スパイ、大衆小説等で流行作家となる。一方で、出生の地・朝鮮を舞台に「李朝残影」(直木賞候補)等の朝鮮小説を書き、晩年は週刊誌等の投稿を代筆、長篇小説『積乱雲』に取り組むが取材先の香港にて急死。亨年45歳。代表作に『黒の試走車』『赤いダイヤ』『李朝残影』他多数。
公演ちらしより
谷六郎 | 薛鎮永 (ソルヂニョン) |
薛玉順 (ソルオクスン) |
金北萬 (キムプンマン) 金田北萬 |
吉村直 | 青木力弥 | 佐藤尚子 | 葛西和雄 |
平田課長 | 李慶淑 (イキョンス) |
薛明姫 (ソルミョンヒ) |
薛明花 (ソルミョンファ) |
船津基 | 上甲まち子 | 武智香織 | 岡本有紀 |
薛承英 (ソルスンヨン) |
憲兵軍曹 | 憲兵伍長 | 憲兵上等兵 |
八代名菜子 | 杉本光弘 | 中谷源 | 広戸聡 |
原作:梶山季之 脚本・演出:ジェームス三木
美術:石井強司 照明:横田元一郎 音楽:飯島優 音響効果:菊池弘二
衣裳:宮岡増枝 舞踊指導:白洪天 舞台監督:荒宏哉
製作:福島明夫 製作助手:大屋寿朗・川田結子
鳴門市文化会館 2011年5月26日(木) 夜6:30〜
上演時間 2時間15分 (休憩15分を含む) ※約250台の無料駐車場あり |
あわぎんホール 5月24日(火) 夜6:30〜 5月25日(水) 昼1:30〜 |
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E-mailでのお問い合わせは 鳴門市民劇場ホームページ nrt-geki@mc.pikara.ne.jp まで。