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安原義人さんに開演直前インタビュー

楽屋訪問50

  テアトル・エコー公演「フレディ」鳴門例会(2012年1月26日)で“フレディ”役をされる安原義人さんを開演前の楽屋に訪ね鳴門市民劇場がインタビューしました。

安原義人
鳴門市民劇場(以下鳴門と略)
ロベール・トマの作品では『罠』『8人の女たち』『W』有名な作品も多いですよね。その中でも『フレディ』を選ばれたのには何か理由があるのでしょうか?
安原義人(敬称略以下安原と略)
上演作品を決める際は、うちの劇団は企画者が脚本を選んで来てプレゼンテーションをするんですよ。その中からみんなで選んで決めています。
鳴門
みんなというのは?
安原
演技部、演出部、制作部の代表です。20人弱で会議をし、その中で選挙して上演を勝ち取ったのが『フレディ 』です。
鳴門
民主主義なんですね(笑)。
安原
ここ何年かはこの方法で作品を決めています。僕はもともとミステリーが好きなんですが、『フレディ』が選ばれたのは、うちの劇団にしては珍しい謎解きの要素も含まれているとこが、みんなに評価された点なんじゃないかと思います。『フレディ』は、フランスの俳優フェルナンデルに当ててロベール・トマが書いた芝居なんです。もちろんフェルナンデル自身がサーカス芸をする場面はなかったんですけどね。
鳴門
確かに、ご本人には難しいでしょうね(笑)。
安原
おそらく出来なかったんでしょうね。フランスで上演された際も若者達のサーカス芸は今回ほど入っていなかったんですよ。
鳴門
そうとう練習されたんでしょうね。たっぷり楽しませてもらいました。
安原
あのサーカス芸は原作にはないテアトル・エコー独自のものなんです。サーカス学校に行ったりしてみんな練習しましたよ。
鳴門
あそこまで本格的な芸を見せてくれると、ぐっと舞台に引き込まれますね。ただ、ひとつ残念なことは、ポスターでは安原さんも赤い鼻を付けていらっしゃったのでサーカス芸をされることとばかり思っていたのですが……?
安原
ええ、私はね、芸をするシーンがないものですから。ホントは私も芸ができるんですけどね(笑)。
鳴門
いつあの赤い鼻をつけた安原さんが出てこられるのか、期待して待っていたのですよ(笑)
安原
ああ、そうなんですか。原作のフェルナンデル自身にサーカスの場面がないから、こうなっちゃったんですよ(笑)。
鳴門
ミステリーやサーカス芸、普通のお芝居とは一風違った舞台のようですが、苦労されたり、楽しかったエピソード等はありますか?
安原
もともとうちはコメディが中心です。この芝居ではフレディ自身が企んだことによってだんだんフレディが追い詰められていくんですよね。そういったシリアスな場面は、私自身普段演じることが少ないシーンなので楽しく演じました。でも、出ずっぱりなんで、稽古は大変でしたね。とにかく、フランス人の舞台はよくしゃべるんです。これでも私のセリフはずいぶんカットしているんです。原作はもっとしゃべっていますからね。私もしゃべるのが好きなもんですから、たくさんしゃべる役が当たると、すぐ引き受けてしまうんですよね。でももう、そろそろしゃべる役はやめようと思うんです。今後は寡黙な役に挑戦したいと思います(笑)。
鳴門
かなりカットして2時間45分なんですね。
安原
フランス人はほんとうによくしゃべるので。原作は3時間こえる芝居ですからね。
鳴門
安原さんの一番好きな場面やセリフをお聞かせ下さい。
安原
場面はやっぱり、最後のパパジゴ(相棒)と2人のところですね。舞台の上で『演技をしないでそこにいる』というのが、一番大事なことだと思うんですね。汗をかいて一生懸命演じているのとは違い、普段の生き方がそこに滲みでてくる訳ですから。
鳴門
黙っていて存在感があるのはすごいですね。
安原
あるかどうかは分かんないですよ。みなさんが後で観て『なかったよ』って言われるかもしれないですからね(笑)。でも、最後のシーンは本当に気に入っています。ああいうしっとりした場面は、うちの劇団にはほとんどないのでね。
鳴門
では最後のシーンを楽しみに、観劇させてもらいます。では、続いて安原さんの個人的なことについてお伺いしたいと思います。この道に入られたのはいつ頃でしょうか?
安原
高校を卒業してすぐに東京に出てきて劇団をいくつか受け、「青俳」というところで1年間勉強をしました。私は兵庫の相生出身で、方言丸出しでやっていたものですから、養成所の所長(本田延三郎氏)がもう1年やれば劇団に入れてやるって言ってくれたんです。もう1年勉強するのかって思っていたところにテアトル・エコーの芝居を観て、こっちの劇団の方が向いていると思い、それからずっとエコーにいます。
鳴門
どんな役を演じるかなどこだわりを持ってお仕事を決められているのでしょうか?
安原
来たものは拒まずっていうのが私の方やり方ですから、こだわりはないですね。でも選ぶとすれば、癖のある役がいいですね。一番おもしろくないのは好青年の役です。ちょっと裏のある役、欠陥のある役の方がおもしろいですから。その点では、今回の役は裏のある役ですよね。
鳴門
あんなにどんでん返しがあるとは思わなかったのですが、最初からそうなんですか。
安原
そりゃ、勝手に変えるとトマに怒られちゃいますから。でもミステリーとしてはある程度読めた人もいるのではないでしょうか。
鳴門
旅公演では、健康管理も大変ではないでしょうか?
安原
普段から身体を動かしていますし、お酒も飲みますから、特にストイックに何かをやることはないですね。ただ、風邪には気をつけていますね。
鳴門
旅先では、観光をされたりはしますか?
安原
観光というよりは、周辺を散歩することが多いですね。
鳴門
お休みの日は、何をされて過ごされていらっしゃいますか?
安原
どうしても映画をみたり、芝居みたりすることが多くなりますね。特に昔の映画をよく見ます。小説なんかも昔のもの、特に外国のものをよく読みます。
鳴門
戯曲も読まれたりされますか?
安原
そうですね。職業柄戯曲の方が早く読めます。ときどき戯曲を読みながら、自分でセリフをしゃべっていたりします(笑)。
鳴門
舞台に立つときに普段の自分を切り替えるのは難しいものですか?
安原
役者はそれが仕事ですから。逆にその切り替えがいいんでしょうね。すっと別人に変わる快感がおもしろい所なんじゃないでしょうか。それは役者をやっている人みんなに共通していることだと思いますよ。
鳴門
役に入り過ぎて現実と分からなくなることはありますか?
安原
そこまで入り込むことはないですね。そうなると逆に演じられなくなりますから。どちらかというと、演じながら客観的に自分をみている感覚ですね。それが無いと演じられませんね。
鳴門
最後に私たちのような演劇鑑賞会の活動について、考えられていることがあればお聞かせください。また、鳴門市民劇場の会員に一言メッセージをお願いいたします。
安原
会員が広がらないのは、様々な問題があると思います。若者の芝居離れも感じますが、まずは劇団がよりいい作品を創っていかなくてはと思っています。ですので、みなさんには市民劇場を今以上に盛り上げ、この広い劇場がいっぱいの鑑賞者で埋まるように、頑張っていただきたいと思います。
安原義人さんとインタビューア

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