2015年1月20日(火)21:10〜21:30劇団青年座から
佐藤祐四さん(朝倉 陽一:澄江の恋人・ソーラーシステム会社 社長)
名取幸政さん(前田 繁男:甘味処「笹本」の菓子職人“シゲさん”)
綱島郷太郎さん(塚田 浩司:ドルフィンBARのマスター)★まず、佐藤祐四さんが登場(拍手)
- 製作
- 最初に自己紹介をしてもらいましょう。
- 佐藤
- “ソーラー”の、佐藤 祐四です。
笑っていただき、楽しんでいただき、今日はありがとうございました。- 司会
- では、劇の感想や質問など、ありませんか。
- 会員
- 日常によくある話が多く、楽しかったです。「ぜんざい」が美味しそうだった(笑)。私はほんとによく笑ったのですが、聞こえたでしょうか。
- 佐藤
- はい。笑っていただけてよかったです。この作品は1分に1回くらいの笑いを…という感じで作っていて。でもコメディか?というと内容はシリアスなんですね。商店街がさびれていくという話も入っていて。今日、昼間にこのあたりを歩いてみましたが、寂しいね。風も冷たかったので余計寂しかったのかもしれませんが。
また、中には“渡辺淳一”小説的話も入っていました。結局(諒子は温泉に)行かなかったね。どうですか?(皆さんなら)行きますか?笑いって不思議なもので、シリアスな話の中にも笑いはあります。
そして…。この作品は(脚本で)鶴屋南北戯曲賞をとっているし、お祝いしていただいたように、(高畑)淳子さんは「紫綬褒章」を、増子さんは「読売演劇大賞優秀女優賞」をいただいているという、賞づくしです。- 会員
- 役者さんはみな、背がとても高いように思えました。そういう方を集めているのですか?
- 佐藤
- 諒子の恋人の田村役の手塚(秀彰)はたしかに背が高く、188 cmくらいかな。でもあとは普通ですよ。私も170 cm程度。(手塚:185cm)
- 会員
- (あなたの)恋人役の方は?ハイヒールのせいでしょうか?
- 佐藤
- そうですね。彼女も平均的な女性の身長、158 cmくらいじゃないでしょうか。舞台下の客席から見るとそう見えるのかもしれません。(増子倭文江:162cm)
- 会員
- 座布団が夏、冬、入れ替わっているように思えました。
- 佐藤
- はい、このお話は、春から始まり、梅雨どき、夏から秋、そして最後は正月前と、フォーシーズンの設定です。私も(季節に合わせて)3回くらい着替えてますね。淳子さんは毎回着替えてましたが…。
- 司会
- たとえば、“音”でも、季節ごとの細かな気遣いが感じられ、情景がよくわかりました。
- 会員
- ブロック塀がよくできているなあと思いました。
- 佐藤
- はい、見えないところまで小道具は凝っているんですよ。ウソがない舞台になっています。たとえば、お店をしばらく休業するという貼紙も、客席からは見えないでしょうけども、本当にそう書いた紙を使ってます。
- 司会
- 佐藤さん演じるソーラーシステム会社の社長さんはとても微妙な立場でしたね。
- 佐藤
- そうです。本当は地上げ屋だったんですが、それは(親友の恋人が地上げ屋だと)あまりにもひどいのでソーラーシステム会社の社長ということに。
- 司会
- “彼”は、悪気はない人なんですよね。
- 佐藤
- ないですよ。いい人です。完全に(恋人の)尻にしかれていますが…(笑)。
- 会員
- ほのぼのとした作品で、良かったです。諒子さんの親友(澄江さん)が、家の縁側でハイヒールを履くシーンが何度もありましたが、いつも左足から履いていました。あれは、演出的に何か意味があるのでしょうか?
- 佐藤
- 特にないと思いますが…。
- 会員
- 左足から履くと「また来ます」なんです。
- 会員
- テーマのひとつが、“自分はこういう道で行く”ということを決めることが大事というものだった気がします。役者さん業は厳しい道だと思いますが、何か信念や思いを持って生きられていればきかせてください。
- 佐藤
- 「なんでやってるの?」という問いかけをよくしますが、よくわかりません。でも、この仕事に出会ってしまった。役者は、出たいものに出れるわけじゃないし、衣裳やセリフや、すべて、人に言われてやっていることです。では「何をよりどころに?」ということになりますが、どこかに「その人の良さ」が出るもので、それを自分で考えて稽古します。そこで演出家にまた何か言われれば変えてはいくのですが。“他人”を演じるわけですが、結局“自分”ではないかと。いつも朝起きると、今日も舞台に立てるんだろうか?と思うものです。でも、気づくと、やってる。そんな感じの繰り返しです。大した信念じゃないですね。 ★名取幸政さんと綱島郷太郎さんが登場(拍手)
- 司会
- では改めまして、お二人に自己紹介をお願いします。
- 名取
- 菓子職人の“シゲさん”です。キライじゃないんですが、甘いものは(本当は)あまり(好まない)…。アルコールの方がいい派です。本日このような花束をいただきましたが、こっちの手にビールがあればなおいいかなと(笑)。
- 綱島
- “ドルフィン”です。僕は四国は今回初めて。旅はうまいものを楽しみにしています。今回は渦潮をみて、“あらし”で食事しました。鯛めしが甘くてびっくりでした。
- 会員
- “シゲさん”は、お饅頭の作り方を知っているのですか?
- 名取
- 下町に住んでいて、同じような店には行ったことがあります。家内の知人の店で、もう創業100年以上の老舗。そこをちょっと見学しました。自分で(お饅頭を)作ろうと思ったことはありませんが、(和菓子を)日本の“何か”に置き換えて…と思ってやっています。
- 司会
- 劇中では「ぜんざい」が何度も出てきて存在感がすごかったです。
- 製作
- ぜんざいも、ほかに出てくるお菓子なども、出演者は実際に全部食べてるんですよ。
- 司会
- どこで買うんですか?
- 綱島
- それぞれ、地元で買ってもらっています。今日も美味しかった!
- 会員
- “ドルフィンさん”はあのあと笹本の和菓子やさんになるのでしょうか?
- 綱島
- たぶん、ならないでしょうね。
- 会員
- “シゲさん”に質問です。“シゲさん”が一番自然な発声で台詞を言われていた気がしました。変に芝居がかっていないというか…。何か意識されているのでしょうか。
- 名取
- 特に意識はしていません。いろんなやり方(演じ方)があると思います。ただ、有名な映画監督さんに、自然でいいよ、と言われたことがあり、自信になっているということがあります。
- 司会
- “ドルフィンさん”の方の演技は、役者だなあ〜というところがありました。
- 綱島
- 僕の役は、特に“つくっている”ところもありますし、また内面から出てくるようなところもあります。
- 会員
- “シゲさん”は何年くらい役者さんを?
- 名取
- 51年になります。去年「年男」でした。60歳ですね(「えーっ?」という、笑い)。
- 司会
- 青年座さんには来年また来ていただけるということで。そのあたりのお話を聴かせてください。
- 佐藤
- 「ブンナよ、木からおりてこい」という作品で、私と名取が来ます。この作品は青年座の代表作ともいえるもので、今まで上演回数は1200回を超えているもの。私は今60歳ですが、この作品を初めてやったときは25歳ですから、35年もやっているということになります。長いですね。内容は、1匹のカエルの大冒険。弱肉強食の舞台ですが、青年座は期待を裏切らない劇団ですから、ご期待ください。
- 綱島
- 来年7月だったと思います。楽しみにしてください。 僕は今年『からゆきさん』の巻多賀次郎役をします。宣伝させてもらいました。
- 製作
- では時間も迫ってきましたので、最後に一言ずつ。
- 綱島
- 今回何名クリアされたのでしたっけ?(「17名です」の声)それはすごいです。
- 製作
- しかも、12例会連続クリアをされているのですよね。
- 一同
- わー(すごい)。
- 佐藤
- 来年7月、生きてたら、会いましょう(笑)。
- 名取
- 私からは本当にひとこと、本日はありがとうございました。
- 司会
- 皆様、どうもありがとうございました。
E-mailでのお問い合わせは 鳴門市民劇場ホームページ nrt-geki@mc.pikara.ne.jp まで。