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殺しのリハーサル

ピュアーマリー公演

鳴門市民劇1月例会
 2023年1月30日(月)
 感想集

犯人が分かるような記述はオリジナルの感想から変更しています。


鳴門例会カーテンコール

舞台の幕があき、私たちは劇の中に次第に取り込まれていった。舞台と観客が一体となってこそ成立する演出も素晴らしかった。「どんでん返し」とあるが、そう簡単には説明できない複雑に絡まり合うシナリオだった。私たちはどこから騙されていたのか?劇作家のアレックスが登場した時から「罠」にはめられていたのかもしれない。
 また、ピュアーマリーの作品を観てみたいと思う。

迫力があって、思わず引き込まれた。

「殺しのリハーサル」というタイトルにびっくり。どんな舞台だろう、とワクワクしながら席に座りました。まず出てきたアレックスは、テレビで見たことあるぞ、そんなはずはない・・・。
 帰って調べると秋野太作さんは有名な俳優さんだと分かりました。テレビを見ても、もっとしっかり見ないと、と思いました。最後のどんでん返しが面白かった。

終わってすぐに、騙された!(笑い)の感想が声に出ました。特に、派手な音楽や小道具もなく、会話でどんどん盛り上がっていくのが面白かった。ミステリー大好きです。

結末、あっけに取られました。思い込みで観ていた私の頭の固さを反省です。以前に観た「罠」も、どんでん返しが強烈でしたが、今回は「え?何?」と椅子から落ちそうになりました。ピュアーマリーさん、また来てください。

サスペンスが大好きな私は、初めからワクワクした気持ちで観ていました。誰が犯人なんだろうと考えることがとても楽しかったです。でも、思ってもみなかった「どんでん返し」に思わず感嘆の声をあげ、心から大きな拍手を送ることが出来ました。
 秋野さん演じるアレックスが、恋人の死の真相を明かすために計画した内容があまりにも細かく計算されていて、素晴らしかったと思います。山本みどりさんは、テレビで見る通りに上品で美しかったです。

どんでん返しが期待以上で、さすが良い筋書きでした。観劇している側の者も何度か騙されかけました。

今回は前の席でしたので、声がよく聞こえて、とても良かったです。本当にリハーサルをしたのですネ。本当にどの人も疑いのありそうな人々で、犯人が分かったときはびっくりしました。

誰もいない劇場に俳優が呼び集められる時、現実の客席を芝居の劇場の客席として通路を通って集まってくるという仕掛けに、チョッピリわくわく。ラストのどんでん返しもお見事、真犯人の自白、動機の暴き方のプロセスに三谷幸喜さんの古畑任三郎を思い出しました。

テレビドラマ「刑事コロンボ」のシナリオも描いていた方の作品だと聞いていたので、舞台上で推理劇を演じる手法にとても興味がありました。“なるほど”という結末でした。楽しめました。次の出演者はどこから現れるのか?ワクワクしながら観られる演出も面白かった。
 今回は、前から数列目の座席で、セリフもよく聞き取れました。後部席の方はどうだったのでしょう。
 やっぱり、ナマの舞台は素敵だと思った一日でした。

大変面白かった。他殺だと信じ、犯人捜しのための台本とは・・・。やはり劇作家ならではですね。最後まで犯人が分からなかった。

「刑事コロンボ」のエンディングテーマ曲とともに、爽やかな終幕となる。ミステリーということで、個人的には色々な妄想を練った(^^;) 特に、コロンボの脚本家なので、犯人は最初から分かっており、観客はその謎解きの経過を楽しむものと考えた。実態は、大いに裏切られる!
 しかも、爽やかに!!
 最後の曲とともに、私の頭の中では「徳島県民の歌」がグルグルと流れていた(^^;)。帰郷し、新人研修の3週間、毎朝聴かされていた歌だ。
徳島県民の歌(作詞:富士正晴・作曲:三木稔)
さわやかさ すだちの香り さわやかさ 鳴門の潮よ 緑こき 剣の山よ 流れゆく 四国三郎 ここに生き 県民となり さわやかさ 体に満ちる

私の青春時代、活躍されていた秋野太作さんを身近に見ることができ幸せでした。セリフ回しや、他の俳優さんとのやりとり、間の取り方など、とても素晴らしく、また舞台を動き回る姿を見てお元気だな、と感心しました。何歳になっても舞台に対する熱い思いが伝わってきて、私も身体に気を付けて頑張ろうと思いました。今回はキャストの方が多かったのですが、それぞれのセリフの掛け合いが心地よく、見入ってしまいました。

初めの舞台が工夫されていて、寂しさを表す暗い舞台に人影が現れる場面は、この劇の素晴らしい演出であった。劇中はびっくりするような発声に感動する。リハーサル(逆転)していく過程が工夫され、演技するそれぞれのキャストの表現が心ゆくまで観劇できた作品だった。

 アレックスは殺しのリハーサルをするまで一年もかけシナリオを練った。刑事コロンボの如くアレックスが役者たちを導いていく。すべてにモニカに対する愛情を感じた。リハーサル中、誰が犯人だろうとドキドキしながら緊張し続けて見入っていたことを思うと途中で休憩を挟まなかった理由がよく分かった。アレックスが真犯人を暴く中で、騙される快感を十分楽しんだ。

最初から意味深長な幕開けだった。ピストルをポケットにしまい、客席に若者を潜ませる。
 ブロードウェイ劇場の舞台裏で、アレックスの周到な準備と集められた関係者夫々の駆け引き。個性ある俳優たちが繰り広げる白熱の演技で、映画とは違った迫力が感じられた。最後まで結末のわからないイライラの中で、推理と緊張を楽しませてもらった。
 1年前の「罠」のような清々しい「どんでん返し」ではなかったが、最後の真犯人解明。モニカを愛おしむ心と犯人を挙げようとするアレックスの強い執念に貫かれた結末だった。またブロードウェイの演劇社会の大きな組織と新人俳優の挑戦状況が垣間見られた現実感があった。

意外な展開、どんでん返しの面白さは、テレビドラマの「刑事コロンボ」そのまま。プロデュース作品の強みで個性的俳優を揃えて、簡素な舞台装置ながら、華やかで力強いミステリーの舞台を楽しませてもらった。

「推理劇」ということだけでも、事前にそして観ている最中もワクワクするものがありましたが、最後に、バックステージものならではの軽妙で、でも重い、隠し玉みたいな台詞とオチがあって「そうかあ~!」とうならされました。
 単なる謎解きだけではなく、人間ドラマと謳われていることにも納得。本当に面白い推理劇は、なにか人の心の底に訴えるプラスアルファがあるもので、やっぱり、そういうところ、同じ作者だけに「刑事コロンボ」に通じるものがある作り込みだなあと思いました。

1970年代にピーター・フォークの「刑事コロンボ」に夢中になった世代としては、見逃すわけにはいかない舞台でした。
 寅さんの弟分としておなじみの秋野太作さんの演技も身近で観ることができて感無量です。
 ネタバレなしで感想を述べるのは難しいのですが、「刑事コロンボ」のように最初に犯人がわかっていて、それを追い詰めていく駆け引きから目が離せないという構成ではなく、最後に「あー!そういうこと!!」と心の中で叫ぶ作りになっており、役者さんたちの演技のうまさに(色々な意味で)驚くことになりました。
 もっといろいろと書きたいのですが、もどかしいですね。
 「機会があればもう一度観たいくらいの作品ですよ」ということだけはお伝えしておきます。

犯人を見破れませんでした! 残念
 最後の台詞を聞き逃し、皆が何で笑っているのかが解らなかったのが残念でした。

面白かったです。途中、あれ?あれ?そうだっけ?と思っていたらその違和感も正解で、最後にへー!そうくるか!と思いました。

今回の観劇のタイトルは「殺しのリハーサル」というものでしたが、はてこれは如何なる意味なのかと、開演前では私にとって全く意味不明の状態でした。ですが、劇が始まり物語が展開してゆき、そして最後の結末を観ることで、「あぁ~そうなのか!」と合点がいきました。
 それで、今回の観劇の感想を述べる前に、主役の秋野氏について先ずは私の思いを述べさせて貰えればと思います。
 今回の劇中での主役に位置する秋野太作氏は「俺たちの旅」や「俺たちの朝」で私が知った俳優の一人です。そして、特に「俺たちの旅」での「グズ六」の印象が私の記憶に強く焼き付いています。
 それとは別に、当時は「津坂まさあき」の芸名であったと記憶しているのですが、いつの頃からは定かではありませんが、キャスト紹介の字幕で「秋野太作」となっていたのも、理由はよくわからないものの、何故だか記憶しているのです。これは、秋野氏の芸風が当時の私の記憶に残る程に個性的だったのかも知れません。
 ですから、還暦も過ぎたこの歳で、私が高校生の頃に観ていた当時のテレビのブラウン管の向こう側の俳優を、舞台上であるとはいえ、思ってもいなく生で見られたのは、大変幸運なのかもしれないと、私は秘かにほくそ笑んでしまいました。
 その一方で、非常に残念でならないこともありました。それは、主役の秋野氏の声量不足が災いしていたのか、彼のセリフだけがキチンと聞き取ることが出来なかったことです。その為に、秋野氏が本演劇の主要人物であるだけに、物語中での流れを私が掴み辛い場面が幾つかあったことです。
 加えて、彼のセリフの言い回しが一本調子なうえに棒読みのように聞こえ、大変失礼な言い方で申し訳ないのですが、素人役者のような印象を抱かされてしまったのも、私としてはとても残念でなりませんでした。
 ただ、この真意は不明ですが、故意的にあのような口調でのセリフ回しを行っていたのか、あるいは秋野氏の年齢や体調からの影響なのかもしれないのかとも思いました。
 とは言え、唯一安心したというか、私にとって救いになったことは、秋野氏の特徴の一つと私が捉えているいわゆる「だみ声」が健在であったことです。ですので、彼のこの独特のセリフ回しを聴いて、懐かしさと共に大変ホッとしたのも偽らざる気持ちです。
 さて、本題を今回の観劇での感想に移します。
 当初、本演劇の幕開けと共に始まった各々の役者の演技の意図が私には全く理解出来ないものでした。この不安定な気持ちは、本演劇のほぼ三分の二を占めたでしょうか?正直言って、演劇中のこの部分は私としては「つまらない劇だなぁ~っ…」という印象でした。ですが、後半の謎解きの演技が始まって、恥ずかしながら、本演劇の多くを占めた劇中での流れが私は初めて理解出来ました。それは、私が「意味不明」と勝手に決めつけていた役者の演じる振る舞いは、真犯人を暴く結末へと導くプロローグであったという事です。
 一方、アレックスはどの様な情報収集をして彼の人物を真犯人として目星をつけたのでしょうか?その辺りに個人的には非常に興味が湧くのですが、そこは演劇という限られた舞台ですので、あまり深く追求しないのが、大人の振る舞いというものでしょうか?
 最後に、本演劇でのエンディング曲に「刑事コロンボのテーマ」が流れ、私の若き頃の記憶が蘇って来ました。というのも、私が刑事コロンボを初めて観たのは、確か私が中学生の夏の頃にNHKで土曜日の夜の10時頃からの放映だったと記憶しています。そんなかつての記憶に懐かしさと嬉しさが込み上げてきたことを、本感想の締めくくりとして書き添えておきたいと思います。

キャストの登場の仕方がよかったです。観客との一体感がありました。
 秋野太作さんをみて、昭和を感じる方も多かったように思います。中村雅俊、田中健。

シンプルな舞台ではあったが役者さんが客席の方から、次々に登場したのは初めての経験で意表を突かれました。
 けど、場面の設定を考えたらそうなんだなあと納得しました。
 また、それぞれの人物に集中してたら、最後はとんでもないどんでん返しで、おもしろかったです。


・今回は推理劇、犯人を当てることはできるかな?
・中盤になっても見えない全体像、参加者全員が犯人の可能性?
・劇は進みなお続く混沌、アレックスは何をしたいのか?
・劇の終盤、混沌クライマックス。そして急展開
・芝居の芝居たるゆえん、推理劇の推理劇たるゆえんを意識させられた名演

皆様の素晴らしい演技にどんどん引き込まれました。
 アレックスの新作の脚本には「??無理があるんじゃ…」というセリフ(設定?)もあるのですが、そんなセリフにも説得力を持たせてしまう凄さがありました。サスペンスが好きなこともあり、内容も含め大変楽しめました。
 アレックスが真相にたどり着いたのに、警察って何していたのだろう…、演出家のあのセリフにすごく共感、等々の色々な余韻も残る素敵な作品でした。

久しぶりのサスペンス劇を楽しませてもらいました。秋野さん、山本さん、こだまさん皆さん素敵でした。私は大至さんの声に魅了されました。これからも活躍に期待したいです。
 誰がどんな理由でモニカを殺したのだろうかと犯人探しに注目したあまり人間ドラマの部分がおろそかになってしまいました。もう一度見直してみたい劇です。

 劇作家アレックスの恋人であった女優、モニカの一周忌にアレックスの呼びかけにより、新作の本読みに集まった人々。それは、自殺として処理されたモニカの死を殺人事件だったと確信するアレックスが真相を暴くための場であった・・・。舞台はブロードウェイのとある劇場とあって、登場人物達が客席の方から現れる演出がとても効果的で、私たちの居る客席も物語の空間の中に取り込まれている感覚でした。集められた人々(モニカが亡くなるきっかけとなったとされた主演舞台の関係者であるプロデューサー、演出家、舞台監督、俳優など)の劇中劇でのセリフのやり取りも、アレックスの真相解明への執念と、脚本の内容に抵抗する登場人物たちの心情のぶつかりあいがあり、その度に私の中で犯人像が二転三転しました。やがて、それは思わぬ展開に・・・。『刑事コロンボ』に代表されるいわゆる倒叙ミステリーとは異なる作品でしたが、最後の大どんでん返しがとても面白かったです!


(こ)んな始まり方もあるのですね。会場の明かりが消されぬまま、客席から突如現れた劇作家アレックス役の秋野太作さん。もうビックリ!
(ろ)れつくまなくしゃべるアレックス役の秋野さん。午前中の初顔合わせの折、「セリフを間違えないように、しっかりやります」とおっしゃっていたのはこういう役柄だったからなのですね。こんなにも長いセリフを、テンポよく、本当に見事に演じきっていましたね。
(し)かけていく役者さん達の演技の巧みさも見逃せません。「舌を巻く」、「圧巻」というのはこういう事を言うのでしょうね。どの役者さん達の演技も実に見事でした。
(の)んびりする間は一瞬たりともありませんでした。最後にこんなどんでん返しがあるなんて、誰が想像したことでしょう!
(り)ゆうを明かさず、劇作家のアレックスは5人を集合させていましたが、いろいろな仕掛けに惑わされっぱなしでまんまと騙されました。
(はー)。劇が終わった時、私は一人、大きなため息をつきました。観劇中はずっと緊張のし通しで、気を抜く暇がありませんでしたから。
(さ)すがに疲れました。私も刑事の一人になり、どの人が犯人か、と絶えず考えながら見ていました。場面が変わり、役者さんが代わる度に、その人が犯人に見えて、「えー、一体誰が犯人なの???」って、頭の中が大混乱でした。2時間あまりの時間を、いつもより早く打つ自分の心臓の鼓動を感じながら過ごしました。
(る)いがない、他の劇団にはない作品を作り出していくエネルギーはどれほどのものなのでしょう。演出家の力って凄いですね。アナウンス役をしていた私は、演出家の鈴木さんから、マイクを直接受け渡していただきました。緊張していたので、彼には何も言えなかったのですが、この紙面を借りて、お礼を、そして賞賛を送りたいと思います。
「鈴木さん、素晴らしい作品をありがとうございました。十二分に楽しませて頂きました。そして、時間を推し量りながらタイミングよくマイクの受け渡しをしていただき、ありがとうございました。」
 今回は運営担当だったので、舞台を創りあげる処を荷物の搬入から見ることができました。劇団員との初顔合わせでは、劇団員一人ひとりの役にかける思いを知りました。誰がどの役をするのかをあらかじめ知ることができたので、ひとり一人が登場する度に、ああ、あの人だ、ってわかることが何より楽しかったです。観劇後の片付けもいいものです。今回も、とても頼もしい裏方さん達に出会えました。指示も適切だし、荷物の受け渡しもスムーズで、素晴らしいスタッフでした。役者さん達ばかりでなく、一つの劇にはこんなにもたくさんの方達が関わっているんだと知れば、観劇の見方もきっと変わることでしょうね。


・会話量の多い劇であったため、出演者の努力が大いに感じられた
・出演者同士の掛け合いが多かったため徐々に話が複雑化してしまい、物語への理解が不安定になる場面が多かったように感じられる
・椅子に座ったままの穏やかな場面から喜怒哀楽を伴う動きの激しい場面に一気に切り替わるため、常に緊張感のある雰囲気を感じられた
・意識の大半が会話に割かれてしまい、表情や身振りを楽しむことはあまり出来なかった
・舞台の構成物は椅子や机といった変哲のない物が主だったにも関わらず、照明を上手く使った演出効果により非常に迫力あるものに見えた
・刑事コロンボの演出やオマージュは当作品を未鑑賞だったため理解できなかったのが残念。

後半は次々と展開される仕掛けに犯人はいったい誰なんだろう?と予想しながら見てました。犯人の予想は外れましたが。
 お芝居の中でさらにそれぞれが演じてるって、つくづく役者さんはすごいな~と感心しました。

思ってもみなかった人が犯人であり、犯人特定時のどんでん返しを含め、見終わった後「見事に騙された!」と思いました。(私が単純なだけかもしれませんが…)また、客席の出入り口や通路を舞台の一部として活用していたので、より近くに劇を感じることができました。

とても面白い舞台だった。最後の場面、犯人が分かった後、アレックスが一人で乾杯するところで涙が出た。犯人が分かっても彼女のいなくなった穴は埋められない。そこがとてもせつなかった。

幕開けに、しばらく主人公の独演があった。ちょっと印象的だったので、後に機関紙を見ると、秋野太作氏ではないか。勿論、役柄が異なるのもあるのだろうが、白髪が目立ったこともあって、NHK「天下御免」やテレ朝「必殺シリーズ」で見せていた軽妙な狂言回し風の、あるいは日テレ「俺たちの旅シリーズ」での登場人物とあまりに違うので、代役が立ったのかとさえ思えた。なお、モニカ役の山本みどり氏も、同じ頃からお見かけする女優さんと、同姓同名同業の別人ではないようである。
 ほぼ劇場とモニカ宅に舞台を絞ることによって、話の進行を速く円滑に進めており、心理サスペンスとして成功していた。脚色の人の工夫がしのばれる。
 なかでも、注意を惹いたのは暗転の場面である。何年か前、「消防法が厳し過ぎる」と、ある演劇人が 嘆いていた。つまり、通路足下や非常口案内表示の明かりの基準があまりにも明るいので、暗転の場面が十分に暗くならなくて演劇として効果的な演出が出来ないと言うのである。それが、今回は十分に暗くなっていた。その頃から随分経ったが、法律も変わったのかな。他の劇場でも、うまくいっているのだろうか。
 終幕を「刑事コロンボ」のエンディング曲で締めていたのは御愛嬌。でも、わかるのはせいぜい50代より上の世代だろう。
 見終わった後、少し原作を読み比べたくなった。というのも、こうした推理物だと、論理に無理があると、その不自然さが気になるからだ。アガサ・クリスティだったか、ガソリンと水を間違えるトリックの作品があった。実際に両方を扱ってみると、まず、そんなことはありえない。余程高熱とかで意識が遠のいていなければ。高名な女史も、実際に扱ったことの無い機械物には弱かったわけだ。これに似た様な、少し気にかかる部分があった。だが、昔「刑事コロンボ」を見ていた時、そんな破綻は無かったと思う。それで、原作ではどう処理しているのだろうと思った訳である。

開演前のブザーが鳴っても一向に会場の照明が消えない。話し声が続いているからかな?アクシデントでもあったのかなと思いながら待っていると、客席からアレックス役の秋野さんが登場。あっという間に舞台に引き込まれた。前回のミステリー劇「罠」ではまんまと罠にはまったから、今回こそはと犯人捜しをした。結末は、またもや想定外だった。
 翌日あわぎんホールでもう一度観た。
 とにかく綿密に書かれたシナリオと俳優さんの演技力には感服。もう一度この配役で、犯人の立場で観てみたい。

鳴門例会カーテンコール

E-mailでのお問い合わせは、        鳴門市民劇場ホームページ
nrt-geki@mc.pikara.ne.jp
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