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『ひとごろし』

-喜劇一幕-

劇団前進座公演

2022年3月21日(月・祝)鳴門市民劇場例会


「ひとごろし」ちらし

臆病者の双子六兵衛は
兄のせいで嫁げないと泣く妹のために
引受手のいない上意討ちに名乗りをあげた
果たして、剣豪とどう立ち向かうのか


あらすじ

「せっ、せ、拙者めが仁藤昴軒(にとうこうけん)をうつ、討ちまする!」
名乗りをあげたのは、双子六兵衛(ふたごろくべい)。
水を打ったように静まった大広間は次の瞬間、嘲笑に包まれた。
双子六兵衛と云えば、誰知らぬ者もない臆病者。
片や、殿さまのお気に入りの小姓頭を斬り殺して立ち退いた仁藤昴軒は、向かう処敵なしの剣術指南役なのだ。
たった一人の妹に別れを告げた六兵衛は、昴軒を追って旅立つ
「お兄様は殺されてしまいます」
「相手は名人、私は臆病者と認めている。私はこの違いに賭けたんだ。」

役となり語り手ともなる4人のコロスが、八面六臂(はちめんろっぴ)。楽器を奏で、音具を操り、人はもちろん馬や犬、蝉や鈴虫、風・雨・風鈴・幟までを演じきる笑劇。
「人を殺したり、切腹するのを見るのは 好きじゃない」 臆病者の上意討ちのてんまつは――

公演ちらしより


物語「ひとごろし」について

この作品〈1964年〉は滑稽物(こっけいもの)の最後の作品です。

「ひとごろし」は、英雄豪傑の類が大嫌いだった作者の面目躍如とした作品です。越前福井藩中で臆病者と噂されて自身もそう思っている家臣が、殿の小姓頭を斬り殺した剣術の達人の討手を志願した物語です。さてどんな結末になるのでしょうか!

舞台はコロスと演技(アクション)による笑劇(ファルス)、として創りました。皆さんの豊かな感性と想像力に依拠(いきょ)した舞台です。

演劇は観客と舞台との交流によって成り立っています。ですから、みなさんは今日のこの舞台の創造者なのです。

みなさんと創り上げた今日の舞台は、二度と再現することはできないのです。

さあ、開幕ベルが鳴りましたよ。いよいよ開幕です。

公演ちらしより


作家 山本周五郎について

山本周五郎(1903~1967)は、終生いっさいの権威や名誉にこびへつらうことがありませんでした。直木賞をはじめ、数々の賞も すべて辞退しています。

英雄や豪傑を好まず、つねに政治や経済と切り離され、すこしもその恩恵にあずかることのない絶対多数の庶民や身分の低い武士をとりあげ、その喜びやかなしみに、深い共感をよせた作品を数多く残しています。

山本さんは、英国のビクトリア朝期の詩人ロバート・ブラウニングの《人間の真価は、その人が死んだとき、何を為したかで決まるのではなく、その人が生きていた時、何を為そうとしたかにある》という名言を座右の銘にし ていました。

その多くの作品の底を 一貫して流れているのは無償の愛という精神であり、どんな逆境にもめげず生きることの尊さ、素晴らしさをうたいあげた人間讃歌だといえましょう。

公演ちらしより


キャスト

上沢美咲 中嶋宏太郎 早瀬栄之丞 渡会元之
コロス
上沢美咲 中嶋宏太郎 早瀬栄之丞 渡会元之

スタッフ

作:山本周五郎 台本・演出:十島英明

照明:桜井真澄 効果:川名あき


上演予定

 藍住町総合文化ホール

 2022年3月21日(月・祝) 13:30~

 上演時間 約1時間30分(休憩なし)

  ※約350台の無料駐車場あり(他施設と共用)

 徳島県教育会館

 3月22日(火) 18:30~

 (徳島市民劇場)


E-mailでのお問い合わせは、         鳴門市民劇場ホームページ
nrt-geki@mc.pikara.ne.jp
まで。