日本による韓国併合の時代に朝鮮北部に生まれた李仲燮(イ・ジュンソプ)は、朝鮮の大地を愛し幼い頃より絵に描いていた。1935年、支配国である日本に渡り、東京帝国美術学校、文化学院美術科で絵を学ぶ。在学中に山本方子と出会い魅かれ合うが、戦局も逼迫して一人、実家のある元山(ウォンサン)へと戻った。 思いを断ち切れない方子は終戦間近の1945年、危険な玄界灘を一人渡り仲燮と再会する。二人は結婚、山本方子は李南徳(イ・ナムドク)として生まれ変わり二人の子どもを授かる。やがて第二次大戦は終結するも朝鮮半島は混乱が続き、朝鮮戦争が勃発。身の危険を感じた仲燮は、芸術と家族を守るため、一人残るという母に絵を託して元山から脱出する。一家は釜山から済州島にたどり着くが、南徳と子供たちは健康状態が悪化、仲燮を残して日本に帰ることとなった……。
公演ちらしより
新宿梁山泊を主宰する金守珍氏を初めて文化座に迎え、韓国演劇界の第一人者・金義卿氏の代表作に挑んだ衝撃の話題作。 芸術への熱い思いを抱きながら、不遇のうちに39歳の若さで没した李仲燮 (イ・ジュンソプ)[1916~1956]の半生。彼は死後、1970年代から評価が高まっていき、韓国では今や国民的画家として愛されています。 日本占領下の朝鮮半島に生まれ、第二次大戦、朝鮮戦 争、南北分断という激動の時代を生きた李仲燮は、日本で絵画を学び、 日本女性 と結ばれました。その激烈な生と芸術、生涯夢に描き続けた家族への愛をエネ ルギッシュに描いています。
公演ちらしより
公演が終わっての割れんばかりの拍手。 私も思い切り手を叩きました。 胸一杯で感動しました。イ・ジュンソプさん役の藤原章寛さんの熱演は見事。 若い劇団員の人達が機敏に動きまわり作り上げる舞台装置、穏やかで上品な語りの佐々木愛さん、どの場面もさす がプロ。いずれも作品にかける情熱がひしひしと胸に伝わってきました。(福岡市民劇場)
独創的な演出に度肝を抜かれ、イ・ジュンソプ役の藤原章寛さんの演技にグイグイ引き込まれ、エネルギッシュな歌あり、ダンスありで、最後は感激した観客の“ブラボー”の嵐。涙しながらの大拍手は初めてかもしれない。(北九州市民劇場)
感動の時間を与えていただいたことに感謝でいっぱいです。ストーリーにも感動し、役者さんたちの演技に感動し、演出に感動でした。佐々木愛さん演じる方子の語りで回想されてゆく進行も、とてもメリハリがあって感慨深かった。また、朝鮮半島と日本に離れ 離れになった時のイ・ジュンソプと方子の思いと愛が感動的に伝わる演出にも感動でした。(鹿児島市民劇場)
佐々木愛 | 藤原章寛 | 髙橋美沙 | 津田二朗 | 高橋未央 |
山本方子 | 李仲燮 (イ・ジュンソプ) |
山本方子[仲燮の妻] 後に李南徳 |
山本[方子の父] | 山本夫人[方子の母] |
小谷佳加 | 青木和宣 | 桑原泰 | 井田雄大 | 姫地実加 |
仲燮の母 | 任用璉(イム・ヨンヨン) [学校の美術教師] |
具常(グサン) [詩人] |
韓黙(ハンムク) [画家] |
酒屋の女主人 |
為永祐輔 | 岡田頼明 | 中田千尋 | 早苗翔太郎 | 田中孝征 |
俳優たち | 俳優たち | 俳優たち | 俳優たち | 俳優たち |
松永佳子 | 若林築未 | 市川千紘 | 深沢樹 | 季山采加 |
俳優たち | 俳優たち | 俳優たち | 俳優たち | 俳優たち |
阿部由奨 | 泉建斗 | 小佐井修平 | 五十嵐芹架 | かんね あおか |
俳優たち | 俳優たち | 俳優たち | 俳優たち | 俳優たち 子役 |
原作:金義卿 翻訳:李惠貞
脚色:金守珍 佐々木愛 演出:金守珍
照明:泉次雄 舞台美術:大塚聡 作曲・音響:大貫誉
振付:大川妙子 舞台監督:鳴海宏明 制作:中山博実
藍住町総合文化ホール 2023年7月10日(月) 18:00~ 上演時間 約2時間45分(休憩15分含む) ※約350台の無料駐車場あり(他施設と共用) |
あわぎんホール 7月9日(日) 13:30~ (徳島市民劇場) |