戦争一色のなか、自由を奪われ、検束の危険を冒しながら、
それでも芝居をやり続けようとした新劇人たち。
劇作家・三好十郎、俳優・丸山定夫、演出家・八田元夫らが
炎のように向かった先は……。
1945年(昭和20年)8月下旬、
八田元夫は世田谷赤堤の三好十郎宅に
広島からやっとの思いでたどり着いた。
大事に抱えてきた風呂敷包みの中には丸山定夫の骨壺があった。
あの惨劇からまだ三週間もたっていない。
挨拶もそこそこに骨壺を前に、
二人は言葉少なに稀代の名優を偲び、まずい酒を酌み交わす。
突如男の声が割って入ってくると、
時は前年(昭和19年)の秋にさかのぼる。
丸山定夫はしきりに八田元夫を「苦楽座」の演出家として、
一緒に芝居をやろうと土下座までして説得をする。
しかし数年前検挙投獄されて以来、演出家登録は取り消されていて、
鑑札が無ければ演劇活動は出来ないのだ。
それでも丸山は諦めない……。
一方、戦局がますます厳しくなるなか、
苦楽座も大政翼賛会・日本移動演劇連盟に参加しない限り
芝居を続けられない状況に追い込まれていた。
せっかく創りあげてきた芝居もこのままでは上演出来ない……。
「僕は芝居がしたい、 芝居がしたいんです」
「それしかお芝居やれる手段がないんですよね?」
やがて皆の心は一つとなって、広島へと向かうのだった……。
公演ちらしより
星野真広 | 能登剛 | 南保大樹 | 宇坂ひなの | 豊泉由樹緒 |
三好十郎(43) | 八田元夫(42) | 丸山定夫(43) | 森下彰子(22) | 薄田研二(46) |
奥山浩 | 橘 麦 e-factory |
小泉隆弘 | 中花子 | 古山華誉 |
永田靖(38) | 園井恵子(31) | 多々良純(27) | 仲みどり(35) | 島木つや子(21) |
三森伸子 | 常深怜 フリー |
原野寛之 | 君澤透 青年座 |
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戸川春恵(20) | 高山象三(20) | 水谷健三(52) | 川村禾門(26) |
原作:堀川惠子 脚本:シライケイタ
演出:松本祐子
美術:石井強司 照明:中島俊嗣 音響:山北史郎
衣裳:有島由生 お神楽指導:おかめ会社中 舞台監督:八木沢賢
制作:横川功
藍住町総合文化ホール 2023年9月10日(日) 13:30~ 上演時間 約2時間25分(休憩15分含む) ※約350台の無料駐車場あり(他施設と共用) |
あわぎんホール 9月8日(金) 18:30~ (徳島市民劇場) |